研究概要 |
前年度の研究成果を基に,平成4年度では研究目的であるテーブル案内と送り駆動機構の機能高度化設計方法を確立するため,以下のような研究を実施し,所期の目的を達成した. まず,前年度までに得られたテーブルシステムの性能に関する基礎データを詳細に分析することにより,新たな構造概念に基づくテーブルと送り駆動系の間に設置するためコンパクトな連結機構を開発した.更に,それを既に開発を行った空気静圧案内を用いた評価用テーブルシステムに組込み,単体の性能評価,並びにテーブルシステム全体の総合的な性能評価試験を行った.その結果,従来感覚的にしか認識されていなかったテーブルと送り駆動系の連結機構の構造と特性が,テーブルシステム全体の性能に大きな影響を与えることを定性的,定量的に明らかにすることができた. 一方,超精密加工を対象とした超精密・高剛性のテーブル・送り駆動系を実現するために,駆動系からの種々の外乱を吸収すると共に,高い送り方向剛性を有する新たな連結機構を開発した.更に開発した連結機構を超精密加工システムの空気静圧テーブルシステムに組込み,その特性と加工精度との関連を詳細に検討した.その結果,開発した連結機構が超精密加工機におけるテーブルと駆動系の連結機構として有効であることを明らかにすることができた. 更に,テーブル系の数学モデルを構築することにより,テーブルの位置決め時における駆動系とテーブルの挙動のコンピュータシミュレーションを行い,テーブルと駆動系の連結機構の特性がテーブル自体の運動精度に与える影響を定性的,定量的に明らかにすることができた.また,次世代テーブルシステムを志向した電気粘性流体制御を用いた能動形テーブルシステムの試作と有用性評価についても検討を行った.
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