研究課題/領域番号 |
03452120
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
木谷 勝 北海道大学, 工学部, 教授 (50001160)
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研究分担者 |
井門 康司 北海道大学, 工学部, 助手 (40221775)
望月 修 北海道大学, 工学部, 助教授 (50157830)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 乱流 / 複雑乱流 / 剥離流れ / 流れの制御 / 周期的攪乱 / 能動制御 / 剥離領域 / 乱流構造 |
研究概要 |
(1)直角に切り落とされた前縁をもつ円柱(鈍頭円柱)の剥離せん断層に、前縁に添って設けた狭いスリットから単一の周波数をもつ正弦波攪乱を導入し、攪乱の周波数および強さを系統的に変化させて、前縁剥離領域の渦構造および再付着長さの変化を調べた。この結果、再付着長さは特定の攪乱周波数f_<min>(主流速度と円柱半径で正規化したもの)において極小となること、この攪乱周波数は攪乱強さが変化してもほぼ一定であること、攪乱強さの増加とともに再付着長さの極小値は減少すること、などが明らかになった。 (2)再付着長さを最小とする攪乱周波数は、攪乱がないときの再付着領域における渦放出周波数の2^n(nは整数)倍である。nの値は攪乱強さの増加とともに減少する。この結果は、前縁剥離領域の流れが弱い自励発振系を構成していること、再付着長さが攪乱の波長の2^n倍であることにもとづいて導かれる。 (3)攪乱として二つの周波数f_1、f_2をもつ正弦波攪乱を与え、両者の位相差φを系統的に変化させて、乱流剥離領域の応答を調べた。基本周波数f_1としては、単一周波数の攪乱で最小の再付着長さの得られた周波数f_<min>を採用し、第二の周波数f_2をf_1の高調波成分、分調波成分、f_1に近い値などに設定した。この結果、f_2が1次高調波成分2f_1に等しいとき再付着長さの位相依存性が最も強いことが明らかになった。 (4)f_1とf_2=2f_1の組み合わせにおいては、再付着長さはφ=180゚のとき単一周波数f_1の攪乱に対するものよりも大きく、逆にφ=0゚のとき小さくなる。このことは、攪乱速度が急に増加したあと緩やかに減少するとき再付着長さは小さく、逆に緩やかに増加して急に減少するとき再付着長さは大きくなることを示唆している。再付着長さを最小とする位相差は、攪乱強さにあまり依存しないが、再付着長さが最大になる位相差は攪乱強さの増加とともに180゚よりも小さくなる傾向がある。
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