研究課題/領域番号 |
03452121
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松本 洋一郎 東京大学, 工学部, 教授 (60111473)
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研究分担者 |
市川 保正 東京大学, 工学部, 助手 (40134473)
川田 達雄 東京大学, 工学部, 助手 (00010851)
大橋 秀雄 工学院大学, 教授 (90010678)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 気泡力学 / 数値解析 / 内部現象 |
研究概要 |
気泡運動に及ぼす内部現象の影響を明らかにするために、理論および実験の両面より研究を進めた。理論解析では、熱拡散、気液界面での相変化、拡散などの内部現象が気泡運動に与える影響を明らかにするために、気液両相に対して内部現象を考慮にいれた方程式を、直接数値的に解くことにより、周囲圧力をステップ状に昇圧した場合と減圧した場合の気泡運動を計算した。その結果、熱拡散、拡散現象が気泡運動に影響を与えること、また、気泡膨張時には、ミストが発生し、初期気泡径が小さくなる、あるいは減圧比が大きくなるにつれて、ミスト生成の影響が小さくなることなどがわかった。実験による解析では、液体衝撃波管を用いた実験装置を開発し、液体中に発生させた微小気泡の周囲の圧力を減圧し、その後昇圧させた際の気泡の応答について計算と比較検討した。実験は二つ行い、一つは、周囲圧力が変化した際の気泡径変化の測定実験で、その結果に関して、数値計算結果と比較を行い、膨張時の最大気泡径と崩壊する時刻について検討し、数値計算結果と良く一致した。もう一つは、気泡内に少量のアセチレンを混入させ、気泡が崩壊する際に気泡内で燃焼反応を起こさせ、放射される光を捕らえる実験で、その結果に関して、数値計算結果と比較を行い、気泡の崩壊時刻と実験の放射時刻がほぼ一致した。また、アセチレンの燃焼反応における着火遅れ時間を表す実験式を、計算結果に対して適用し、本数値解析により、燃焼反応を予測することができること、また、他のモデルとの比較によって、気泡運動の解析において、気泡内で起こる輸送現象を考慮することの重要性などがわかった。さらに、数値解析の結果に基づいて簡潔な気泡運動のモデルを構築した。このモデルを、気液二相流動現象への応用として気泡流中の衝撃波の伝播の解析に適用した。その結果、気泡運動における熱拡散が、衝撃波の波形に大きな影響を及ぼすことがわかった。
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