研究課題/領域番号 |
03452128
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
大竹 一友 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (80016427)
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研究分担者 |
成瀬 一郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (80218065)
吉川 典彦 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60135423)
岡崎 健 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (20124729)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 微粉炭燃焼 / 気泡流動層石炭燃焼 / 1酸化窒素・亜酸化窒素反応機構 / アンモニア無触媒脱硝 |
研究概要 |
石炭燃焼場から生成させる環境汚染物質としてN_2Oに着目し、高温燃焼である乱流微粉炭燃焼場および気泡流動層石炭燃焼を対象として、実験ならびに理論的検討を行った。 乱流微粉炭燃焼実験より、N_2Oは炉上流部の揮発分燃焼領域での低温酸化領域で生成され、そこでの温度勾配が緩やかであるほど生成量は増加する。しかし、最終的にはその後の高温還元領域によって分解される。空気比の増加とともにN_2O生成に寄与するNO濃度も高くなることならびにCO/O_2比も低くなり還元性が弱くなることから、N_2O濃度は増加する。NH_3無触媒脱硝に対するN_2Oへの効果は、NH_3注入位置の燃焼雰囲気の差異によってN_2O濃度が増加してしまう場合がある。 気泡流動層石炭燃焼実験より、層温度の低下および空気比の増加に従いN_2O濃度は増大する。炭種を変化させたところ、N_2O生成にはHCNの方がNH_3よりも寄与が大きい。石炭の供給方式の影響は、上込め供給の場合、フリーボード部でNOおよびN_2Oの主たる生成が起こり、一方、下込め供給の場合、NOおよびN_2Oは主として層内で生じる。充填層反応器によるN_2Oの分解実験より、チャー、CaOおよび酸化したステンレスはN_2Oの分解に強く寄与する。また、単一チャー粒子層燃焼実験より、チャーからのN_2O生成特性は揮発分燃焼と同様な傾向を示す。 高温燃焼条件での単一微粉炭燃焼モデルによる解析から、N_2Oは、揮発分燃焼領域において空気中のN_2ならびに、揮発分中の窒素含有化学種から生成されるNHおよびNCOを介して生成される。一方、N_2Oの分解は、COの酸化反応によって生じるHラジカルによって行われる。揮発分燃焼の数値解析結果より、N_2O濃度は、実験で得られた傾向と同様、層温度の低下および空気比の増加とともに増加する。放出揮発分中に含有される窒素化学種の影響は、HCNの方がNH_3より寄与が大きい。
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