(1)視覚デ-タ処理システムの性能改善:人間が普通の速度で実演してみせる作業を実時間で認識することを可能とするために、ロボット視覚システムの特徴追跡能力を大幅に高速化することを試みた。画像の入力・処理・出力を同時に実行できるような画像メモリ制御法、高速CPUの使用、特徴追跡のための相関演算チップの組み込み、等によって、ロボット視覚処理装置の演算能力を飛躍的に向上させることができ、人間の普通の速度の動作を追跡することが原理的には可能になった。 (2)注視点の効果的制御による作業の観察:三次元の作業観察を実現するために、右目及び左目の注視点を同時に追跡制御し立体視演算により追跡特徴の三次元デ-タストリ-ムを得るシステムを作成した。継続的時間差分による手の発見、運動する対象の初期位置と大きさを与えたとき指定された特徴点を継続的に追跡する機能、互いに運動を制約し合う複数の追跡子による変形物体の追跡機能、安定化処理を含む両眼追跡、等の基本機能を作成し作業の観察を可能とした。 (3)組立操作列の認識:連続して行われる作業を認識するために、時間的に切り分けて動作の種類を決定し、環境状態の定性的変化に基づいて操作を識別する。操作認識の結果は環境モデルの状態に反映される。把持物体を表すノ-ドと手を表すノ-ド間の把持関係リンク、操作対象物ノ-ドとの支持関係リンクを管理することにより組立操作列の認識を行う。
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