研究概要 |
工作機械、ターボ分子ポンプやフライホイールエネルギー貯蔵システムに大容量で高速のモータが要求されている。 本研究はこのような用途に用いられる、機械的な軸受を持たない新しい超高速度のモータを提案している。この回転機の固定子には、そのスロットに4極のモータ巻線と2極の位置制御巻線を持ち、回転子の位置は2極巻線の電流により固定子の中心に制御される。提案しているベアリングレス回転機はモータと磁気軸受とを一体にした構造の回転機である。 本研究では、リラクタンス形のベアリングレス機を中心に、巻線構造とインダクタンス、半径方向の力、トルクなど基本特性を明らかにし、制御モデルを導出して回転子位置制御法を提案した。 得られた成果を要約すると以下のとおりである。 1.軸の下端のみを機械軸受で支持して、コマの様な動作が出来る回転機を試作した。試作機は二相の4極巻線と二相の2極巻線を持ち、回転子は突極のリラクタンス形回転機とした。 2.ベアリングレスリラクタンス機の自己および相互インダクタンスの理論解析と試作機による測定を行った。回転子の回転角φを変化させた場合に、2極巻線と4極巻線の相互インダクタンスは、回転角によらずに一定の直流成分とcos4φで変化する成分との和で表わされること、この両成分の大きさは、回転子の変位に比例すること、及び、半径方向の力は2極巻線と4極巻線の電流の積に比例することを明らかにした。 3.提案したベアリングレスリラクタンス機の巻線電流と回転子の変位との間の伝達関数を明らかにし、制御システムを開発した。 試作機で15,000rpmの超高速まで安定に運転できることを確認した。
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