研究概要 |
1.ミスト熱分解法によるセラミックス微粒子作製装置の試作。 縦型=分割電気炉(反応管長:約1m,最高動作温度1350℃)とミスト発生用超音波ネブラィザ(f=1MHz)を組合わた装置。 2.ミスト熱分解法による磁性セラミックス微粒子の合成。 (1)YIG微粒子の合成 生成される微粒子は,反応温度によりアモルファスか,イットリウム・オルソフェライト(YFeO_3)であり,YIGの直接合成には未だ成功していない。しかし前者を大気中950℃以上の温度で熱処理することによって粒径0.3〜0.5μmのYIG単相の微粒子が作製できる。 (2)これはYIG生成温度が低過ぎることにあると考えられる。現在結晶化温度が低いBi置換YIG微粒子の合成を試みている。 (3)鉛ヘキサフェライト(PbFe_<12>O_<19>)微粒子の合成。 同様の手法により単相の鉛ヘキサフェライト微粒子が生成可能である。これらの結果はJ.A.P.Vol.70,5912(1991)の他,学振將来加工技術第136委研究会資料(H3.7.18),電気学会マグネティクス研究会資料MAGー91ー130等で報告した。 3.磁性セラミックス微粒子を用いた複合光磁気材料の開発。 磁気光学効果を用いた光波デバイスには大きなファラデ-回転角と低吸収率の材料が必要である。これを実現するため粒径が波長に較べて十分小さな微粒子をプラスチック中に分散させた複合材料の研究を行っている。微粒子作製には暫定的にゾル・ゲル法を用い,透光性マトリックスにはポリビニ-ル・アルコ-ル,PMMAを用いて基礎研究を行い,多くの成果を得た。今後ミスト熱分解法で生成したBi置換YIG微粒子をモノマ-中に分散固化した材料を試みる。
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