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1991 年度 実績報告書

音声の方言的特徴の抽出と方言音声の判別に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03452158
研究機関筑波大学

研究代表者

板橋 秀一  筑波大学, 電子・情報工学系, 教授 (70151454)

研究分担者 荻野 綱男  筑波大学, 文芸・言語学系, 講師 (00111443)
キーワード方言 / 音声 / 基本周波数 / 折れ線 / 識別
研究概要

音声の基本周波数を用いた、方言音声の識別法の基礎的検討を行った。基本周波数の時間的変化パタ-ンを複数の折れ線で最良近似し、この折れ線の傾斜や開始周波数によって方言の特徴を抽出する。NHKアナウンサ-および、特徴のある4地方の計5種の音声(男性)を用いた。分析方法は、平均振幅差関数(AMDF)法により基本周波数を求め、ある一定値以上の音声パワ-を持った(有声音)部分を取り出す。音声の基本周波数の時間的変化パタ-ンをDP法により複数の折れ線で最良近似する。その折れ線の傾き・開始周波数・持続時間等の、平均値・分散・時間重み付け平均値等を求める。
NHKアナウンサ-の音声の分析結果では、傾きの平均値の絶対値が比較的小さく、標準偏差も小さい。
青森県五所川原市の話者の音声では、他の方言と違って、正の傾きが多い。また、全体の時間重み付け平均値が正の値を示している。傾きが正と負両方とも傾きの絶対値が大きくなっており、負の傾きの標準偏差が大きくなっている。
大阪市の話者の音声では、傾き全体の平均がNHKよりも低くなっている。これは、傾きの小さい折れ線の持続時間が大きいことを示す。
鹿児島市の話者では、傾き全体の平均値の絶対値が大きく、標準偏差もかなり大きい。傾きが正の場合は、特徴が大阪市のそれとほとんど同じで、負の部分では五所川原市のそれとほとんど同じになっている。
那覇市の話者の方言は、傾き全体では、平均値が小さい割に、標準偏差は大きくなっている。
以上の結果から、折れ線の開始周波数と傾きの値により、これらの方言を識別できることが分かった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 山下 勉,板橋 秀一: "基本周波数を用いた日本語方言音声の識別" 日本音響学会講演論文集. 1ーPー2. (1991)

  • [文献書誌] 荻野 綱男: "聞き手敬語のていねいさ意識と敬語行動" 文芸言語研究 言語篇. 20. 81-97 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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