研究概要 |
本研究の目的は,ある特定の特徴をもつ図形を,与えられた画像の中から自動的に抽出する機能をもつ計算機システムを構築することである。本年度の研究実績を次に示す。 1)概念自己形成ネットワ-クの基本構成の確立 図形抽出に必要と考えられる,人間が与えた多数の特徴のうち,対象図形の抽出に大きく関与するものだけを自動的に選択し,階層化するニュ-ラルネットワ-クの構造,および学習方法について検討した。 2)2次元図形の特徴の選出 文字や平面図形など,2次元の図形を抽出する際に用いられると考えられる各種の図形特徴を多数選出した。これらすべてをネットワ-クで用いるのはあまりに非効率的なので,予備実験によって互いに類似する特徴を統合し,不必要な特徴を削除した。 3)2次元図形の抽出手法の開発 与えられた画像から,上記2)で選出した特徴を計算し,その結果を上記1)のネットワ-クに入力することによって,図形抽出を行う手法を確立した。“円"や“正方形"のような単純な図形の抽出を行いながらアルゴリズムを強化し,“文字"や“星形"などのように,形状を一意に決定することができない,より抽象化された2次元図形を抽出することを検討した。 上記の研究成果から,本年度の研究目標は十分に達成できたと考える。研究成果は,今後,学会誌などにおいて順次公表する予定である。
|