1)リカレント型のニューラルネットワークは、時系列パターンの記憶、発生、遅延を伴う信号間の演算が可能であり、フォワード型ネットワークでは実現不可能な種々の機能を実現することができる。リカレント型を用いて、0.1よりなる系列と、遅延を伴う論理演算が共に、GA(遺伝的アルゴリズム)を用いて学習可能であることを明らかにした。1つの学習実験は、4ユニットからなるリカレント型ニューラルネットワークの自励出力が特定のパターンとなるように、それぞれGAを用いて学習させた。もう1つは、入力信号のXORを入力の2ステップ後に出力する、5ユニットからなるリカレント型ニュートラルネットワークを学習させた。 これらの実験結果からリカレント型ニューラルネットワークは連想記憶や時系列出力を伴う制御問題などへの応用の可能性を見いだした。 2)ニューラルネットワークを学習させる場合、隠れユニットの数を幾らにするかということは常に問題になることである。ユニット数が少なすぎると学習が十分に行われないし、逆に多すぎると学習に時間がかかる。そこで、フィード・フォワード型ニューラルネットワークの学習にGA(遺伝的アルゴリズム)を用い、突然変異の一形態としてユニット数の増減の機能を取り入れることによって、この問題がある程度解決できるのではないかと考え、これについて検討した。 必要最小のユニット数への収束は、増加と減少の確率を変えることにより、100%に近づけられることが確認できた。しかし、理論的な最小数のニューラルネットワークが最適かどうかはネットワークの安定性やロバスト性などとからんでさらに検討する必要がある。
|