研究概要 |
1.反応性ガス導入系の設計・製作と走査電子顕微鏡試料室への装着 所望の流量のガスを微細口径(200μmφ)ノズルを通じて試料表面へ噴出させるガス導入系を設計・製作し、現有の走査電子顕微鏡(JSMー35)の試料室を改造し,上記ガス導入系を装着した。 2.電子ビ-ムエッチング実験 XeF_2を反応性ガスとして用い,SiO_2,SiN膜のエッチング実験を行った。まず、 (1)エッチングの完了を検知するため、二次電子信号と試料吸収電流をモニタ-した。この結果、エッチングの完了は、二次電子信号、或いは、試料吸収電流が飽和した時点と判定できることが分かった。 (2)ガス流量,試料温度,加速電圧,ビ-ム電流、ビ-ム径、電子ビ-ム照射法(スポット照射、ラスタ-走査)、試料背面電極電位等をパラメ-タとしてエッチング速度を測定し,結果を評価した。その結果、エッチング速度は、加速電圧が低いほど、ビ-ム電流が大きいほど、早くなること、等が分かった。 3.電子ビ-ムエッチング形状のシミュレ-ション 2の(2)の結果から、二次電子放出特性を考慮してエッチング形状をシミュレ-ションし、実験結果と比較したところ、かなり良く類似したエッチング形状を得た。 4.上記の結果から、サブミクロンのエッチング加工のためには、エッチングに用いる電子ビ-ムのビ-ム径として、希望する大きさの1/3程度以下の大きさのビ-ム径を持った電子ビ-ムを用いる必要があることが分かった。
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