1.貯卵及び無転卵の胚成長に及ぼす影響評価: 鶏卵を実験モデル動物として用いる時、貯卵の影響を知る必要がある。そこで貯卵と併せて転卵を欠くことの胚の成長に及ぼす影響を、心拍数と酸素摂取量をパラメータとして評価した。 (1)10℃で20日及び30日間貯卵し、38℃で16日令胚の心拍数、酸素摂取量、湿質量、乾燥質量及び胚含水量を転卵及び無転卵について測定、(2)10℃で20日及び30日間貯卵し、38℃で13日令からふ化あるいは死亡するまで同一卵について心拍数及び酸素摂取量の成長パターンを測定した。 2.電極挿入及びマイクロフォン装着の胚心拍数に及ぼす影響評価: 心電図、インピーダンスカーディオグラム及びアコーストカーディオグラムはそれ自身固有の生理情報を持ち、同時に心拍数の測定に利用できる。そこで、完全な無侵襲法である心弾動図測定を参照に、電極及びマイクロフォン装置が心胚数に及ぼす影響を評価した。いずれの測定法も心拍数測定に有効であるとの結果を得た。 3.電磁誘導則を応用した心弾動計測システムの開発: 卵心弾動情報の5番目の方法として、Faradayの電磁誘導コイルを用いて計測するシステムを開発、レーザー変位計と同時測定を行った。計測波形は心弾動の速度量を表わしている。 4.ベクトル心弾動図特性: レーザー変位計を用いて横位及び立位にある卵の対向する2点及び直交する2点より変位心弾動図を同時計測しベクトル表示を行って、心臓の拍動に起因する卵の動きを二次元空間で解析した。 5.瞬時心拍数の長期自動計測システムの開発: 瞬時心拍数の変動特性をふ卵後半の長期間にわたり計測するシステムの開発を行った。胎体動の影響を比較的に受けないACGを利用した。
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