研究課題/領域番号 |
03452186
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小倉 久直 京都大学, 工学部, 教授 (50025954)
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研究分担者 |
高橋 信行 京都大学, 工学部, 助手 (70206829)
北野 正雄 京都大学, 工学部, 講師 (70115830)
中島 將光 京都大学, 工学部, 助教授 (60025939)
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キーワード | 走査顕微鏡(STM) / 光導波路 / 光電磁界理論 / エバネセント光 / トンネル効果 / ナノテクノロジ / 光ファイバ- |
研究概要 |
本研究では導波路が理想的、すなわち、表面が完全に滑らかで導波路構造も規定の形状を持つと仮定しても、光のトンネル効果を使うため、特に表面の状態に敏感である。また、ナノプロ-ブ(光ファイバ-製)は光電磁界理論的に見た場合、境界条件が複雑なので、適当なモデルを設定して解析・設計する必要がある。本年度は2種類のモデル(誘電体Wedgeを仮定した2次元モデルおよび誘電体円筒柱モデル)を用いてナノプロ-ブ内の光電磁界理論的な解析を進め、導波路表面のエバネセント光とナノプロ-ブ内の電磁界の関係を定式化した。そして、現在、この理論に基づき数値計算に行なっている。 実験に関しては、ナノプロ-ブとその駆動装置、走査装置、光検出器、電子回路系を製作し、その動作を確認した。次に、実際にプリズムを試料とした実験でエバネセント光の強度を測定し、試料表面からナノプロ-ブまでの距離とエバネセント光の強度の関係を示した。この関係は、プリズムへのレ-ザの入射角度をパラメタして解析的に表現することができ、実験結果がこの解析結果とよく一致することを示した。さらに、表面が滑らかなプリズム試料を用いてナノプロ-ブのxy2次元走査実験を行ない、試料表面の傾きが測定可能なことを示した。 来年度以降は現在までに解析されたエバネセンット光とナノプロ-ブ内の光電磁界の関係を利用して装置の最適化を図ると同時に、現在までに完成している装置を光変調器などの実際の平面光導波路に適用してデ-タを収集する。この時、光導波路に1つ以上のモ-ドが伝搬していたり、反射がある場合は、光導波路の不規則性との複雑な干渉によってデ-タの分析が困難になるので、単一モ-ドのみ伝搬し、かつ、反射がないように光導波路を設計・製作し、上記装置で観測する。光導波路が設計通り理想的に実現されていると仮定すると、得られたデ-タから光導波路の不規則性を評価することが出来る。一度、光導波路の不規則性が把握できれば、光導波路に多くのモ-ドが伝搬している場合のモ-ド分析などが可能になる。
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