研究課題/領域番号 |
03452187
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
峯本 工 神戸大学, 工学部, 教授 (60031093)
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研究分担者 |
伊藤 峯雄 近畿大学, 理工学部, 講師 (10088429)
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キーワード | 高温超伝導 / 高温超伝導厚膜 / YBCO系超伝導体 / 磁気シ-ルド / 磁気トラップ / マイスナ-効果 / 磁気力顕微鏡 |
研究概要 |
磁気シ-ルドに高温超伝導体を応用する場合、臨界電流密度(Jc)を大きくし、臨界温度(Tc)を高くする事が望ましい。そこで、YBCO粉末にAg粉末(0〜28wt%)を系統的に混入し焼成することを試みた。その結果、次の事が明らかになった。Agを7wt%混合することにより、 (1)Jcについては、混合しない場合にくらべて約9倍(464A/cm^2)に改良することができた、 (2)Tcについては、混合しない場合にくらべて約3K高く(94.6K)することができた これらのYBCO超伝導厚膜に関する研究成果を踏まえて、銅の酸化膜上にYBCO超伝導厚膜を形成するための焼成条件を把握し、現在、銅容器表面にYBCO超伝導膜を焼成し磁気遮蔽容器を製作中である。 次に高温超伝導膜の評価に関しては、ガラスファイバ-による片持ちばりと光学式変位計を組み合わせることにより、高感度磁気力顕微鏡の構築に成功した。この磁気力顕微鏡を用いて、YBCO系超伝導材についてマイスナ-効果、磁束のトラップ、シ-ルド特性等の超伝導特性の2次元分布を測定評価した結果、次のようなことが明らかになった。 (a)超伝導材料の磁気反発力の2次元分布を調べた結果、溶融法で製作した材料ではマイスナ-特性の不均一性が顕著に認められ、これがCuとBaの不均一性に起因していることがわかった、 (b)トラップされた磁束の2次元分布の様子は材料の焼成方法や冷却条件に強く影響されることがわかった、 (c)溶融法の材料は固相反応法のものにくらべ、シ-ルド特性は優れているが、残留磁界が大きいことがわかった、 (d)磁束のトラップ開始条件が材料の焼成方法に影響を受けて変わることや、反発力のエッジ効果もあることがわかった。
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