(1)歩行者による橋の水平横振動の分析 実際に歩行者により水平横振動している橋の計測を行った。計測したのは、橋桁の振動と、ビデオによる歩行者の動きである。ビデオでの歩行者の頭の動きを画像処理により数値化し、橋桁の動きとの関連させて分析した。その結果、橋桁が横振動していないときは歩行者の歩調はばらばらであるが、振動しているときには、約40%の歩行者の動きは橋桁に同調、すなわち同じ振動数で歩行していることが判明した。また、同調している歩行者の歩調の位相はほとんど一定であることもわかった。これらのことにより、「歩行者の歩行時水平力により橋桁がわずかに水平横振動し、それにより一部の歩行者が歩調をそろえ、そのため橋桁に芝振力が作用し、橋桁の振幅が増える。その結果、さらに多くの歩行者が歩調を橋桁にあわせて歩き、そのためにさらに橋桁の振幅が増す。つまり、一種の自励振動である」ことが明らかとなった。橋桁の振幅があるレベルでおさまるのは、橋桁の振幅がさらに大きくなると、歩き方を変えるためである。 (2)振動台を用いた歩行者の歩行特性に関する実験 振動台上に、長さ7mの床をつくり、水平横振動する床上での歩行者の歩行特性を実験的に調べた。床が水平横振動すると、歩行者はその歩調をあわせ、床と頭との位相差はおよそ180°になることなどが明らかとなった。実験結果の詳しい結果は現在、分析中である。 (3)斜張橋の動特性 歩行者により水平横振動が生じた斜張橋では横桁のみならず、ケ-ブルも大きく振動していた。歩行者、横桁、ケ-ブルとの連成間題としての振動の解析を行った。
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