研究課題/領域番号 |
03452205
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
宇野 尚雄 岐阜大学, 工学部, 教授 (70021582)
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研究分担者 |
神谷 浩二 工学部, 助手 (50252119)
杉井 俊夫 中部大学, 工学部, 講師 (90196709)
東海 明宏 大阪大学, 工学部, 助教授 (90207522)
佐藤 健 岐阜大学, 工学部, 助教授 (80135326)
湯浅 晶 岐阜大学, 流域環境研究センター, 教授 (10109499)
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キーワード | 地下水水質 / イオン交換反応 / 土壌吸着能 / 環境リスク評価 / 不飽和土 |
研究概要 |
(1)土質粒子・間隙構造と吸着能に関しては、 (1)カラム試験による溶質の不飽和土中における吸着性状と分散性状について、実験的に調べた結果、「吸着量は飽和度に依らず一定になること、及び飽和度が小さくなると分散係数は大きくなること」を見いだした。 (2)カラム試験における溶質の土粒子への吸着性状の時間的変化を示す「破過曲線」で考えて、土中水を不動水と可動水に分けて考えるTwo Regionモデルにより説明する試み・検討により線形吸着というより非線形吸着の形式で表現できること、及びモデルに含まれる各パラメターの物理的意義を究明した。 (3)空気圧入による新しい透気試験で、土中の間隙構造を計測・表現する手法を研究した結果、砂のような大粒径の土試料に対する間隙径分布測定が可能になり、平均間隙径、有効間隙率をかなりの精度で測定でき、土中水の貯留性状と透気性などの物理的性質との関係が究明されるようになった。 (2)水質成分の土壌吸着特性に関しては、 (1)着目する汚染成分の土壌への吸着平衡分配係数は一般に一定値とはならず、水中に共存する他の成分の濃度が高くなるにつれて、着目成分の吸着分配係数は減少することが明らかになった。 (2)微量汚染成分と水中のバックグランド成分の競合吸着に関するモデル化を行い、微量成分の吸着によってバックグランド成分の吸着特性にはほとんど変化が生じないものの、バックグランド成分の吸着によって微量成分の吸着平衡分配係数は著しく減少することが明らかとなった。 (3)種々の廃水に起因するバックグランド有機物の回分吸着平衡試験とIASTモデルに基づく解析を行い、バックグランド有機物の回分吸着等温線に及ぼす初期濃度の影響を定量的に表す方法を明らかにした。 (3)環境リスク評価のための水質管理体制に関しては、タンクモデルによる河川流出水量と地下浸透水量の予測及び土壌における生物分解・吸着・揮発などを考慮した土壌コンパートメントモデルによる各種農薬の河川流出量と地下浸透量の予測を行った。その結果、農薬の河川流出率と地下浸透率はいずれも農薬の物性(溶解度、生分解性など)、農薬の散布条件、降雨パターンに左右されることが明らかとなった。また、環境への農薬流出リスクを適切に予測するためには、土壌コンパートメントモデルにおける吸着と生分解に有効な表層土壌深さパラメーターの推定が重要であることが明らかとなった。
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