研究課題/領域番号 |
03452218
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
柴田 拓二 北海道大学, 工学部, 教授 (30001142)
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研究分担者 |
後藤 康明 北海道大学, 工学部, 助手 (90170472)
城 攻 北海道大学, 工学部, 助教授 (00002014)
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キーワード | 剪断抵抗機構 / 斜張力 / シアスパン比 / 横補強筋比 / 定着長 / コンクリート強度 / 逆対称加力 |
研究概要 |
鉄筋コンクリート部材における既往の剪断耐力式は、部材の対角線上に圧縮応力場が形成される加力実験や解析に基づいて提案されたものである。しかし、引張力を受ける外柱と内柱に接合する抗基礎とに挾まれる基礎梁のように、柱と抗との間の斜め引張応力場が卓越して形成される場合の剪断力伝達機構は、アーチ作用やトラス作用で代表されるコンクリートの斜め圧縮応力場での剪断力伝達機構とは異なることが明らかになった。すなわち、実験的研究では、影響要因としてシアスパン比を1.0と0.5の2種、剪断補強筋比を0.0、0.2、0.6%の3種、加力幅/シアスパン比を0.1と0.2との2種、加力方式を引-引、引-押、押-押の3種、応力条件を単純梁とN式連続梁の2種、定着筋埋め込み長さをDと2D/3の2種との組合せとした。梁形試験体の中間部2ケ所に加力用抗筋を埋め込み、両端部に反力用柱筋を加力用とは逆向きに埋め込んだ鉄筋コンクリート梁形試験体を製作し、斜張力と剪断力を同時に発生するように工夫された加力方式により破壊実験を行った。この結果、圧縮応力場時に比べて剪断耐力は1割程度の低減に留まり、加力筋近傍の助筋によって引張力が圧縮域に伝達していること、定着長が短いほど剪断耐力が小さくなること、肋筋の協力効果が圧縮場に比べて大きいこと等が明かとなり、これらの因子を含んだ剪断耐力推定式を提案した。また解析的研究では、FEM平面応力解析法に基づく鉄筋コンクリート用弾塑性解析プログラムを用いて、実験用試験体と同様の形状および影響要因を与えた解析モデルを設定し、一方向単調増加加力のもとでの数値計算を行っているが、プログラム開発に時間を要したため、いずれも結果が得られたばかりで充分な検討はこれからである。
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