研究課題/領域番号 |
03452220
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
和田 章 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (90158684)
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研究分担者 |
山田 貴博 東京工業大学, 工業材料研究所, 助手 (40240022)
坂田 弘安 愛知産業大学, 造形学部, 助教授 (80205749)
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キーワード | 大スパントラス構造 / 非線形数値解析 / 動的解析 / 個材座屈 |
研究概要 |
本研究は近年特に能力の高まったコンピューター技術の利用を前提として大地震時において建築構造物が崩壊するまでの挙動を数値解析により明らかにすることを目的としたものである。 昨年度は、当研究室で既に保有している鉄骨構造の高精度弾塑性静的解析プログラムを基に動的解析プログラムを開発し、本年度はこの動的解析プログラムを用いて以下に示す問題に関する挙動を追跡した。 1.大きな軸力を受けるトラス部材が、振動する構造物中で共振現象を起こすときの挙動を調べるために、両端を単純支持した一本の鋼構造部材に圧縮力と横方向の振動を与えた場合について非線形数値解析を行った。その結果、非減衰系で圧縮力を受ける部材が共振する場合、正負繰り返しの漸増変形によって部材が終局モーメントを有するに至り、その瞬間に大きな変形が生じ、部材耐力は低下すること等がわかった。 2.一方向大スパン複層円筒トラス構造物を、部材の各節点に質量を設け全自由度を考慮したモデルを用い、部材の軸力-軸伸縮関係に座屈を考慮し、重力と地震動入力を同時に考慮した地震応答解析を行った。その結果、トラス構造のように圧縮力を受けて急激に耐力の低下する部材を持った構造物の場合、座屈する部材の本数が多くなってくると、自重を支持することが出来なくなり全体崩壊を起こすことを示した。 3.上で述べた様な急激な崩壊現象を防止し、トラス構造についても一般の鋼構造のようにその靭性に期待した耐震設計を可能とするため、圧縮力を受けても座屈せずに安定した降伏現象を持つ圧縮材を用いた大スパントラス構造について同様の弾塑性応答解析を行った。その結果、構造部材が塑性化し自重による鉛直変位は増大するが、全体の崩壊を防止することが出来、圧縮部材の座屈を拘束することが耐震設計上有効性を示すことが出来た。
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