研究概要 |
筆者らは,古くから,岩盤掘削の設計や地下環境制御の設計に必要となる種々の予測解析システムを開発してきており,今着度も新たに3角形面要素を用いた変位くい違い法による3次元境界要素法を開発した。本研究においては,それらを整備し,その他の種々の手法に関する情報を収集して,現在までに開発されているほとんどすべての予測解析プログラムをデ-タベ-スとしてすでにフロッピ-ディスクに収録している。また,動燃と情報数理研究所とで開発されたPCー9800シリ-ズ用評価エキスパ-トシェル「コギト」を用いて,上記のデ-タベ-スをバックグラウンドとして,岩盤開発の条件や目的に応じて最適の予測解析手法を選択するためのエキスパ-トシステムを開発した。このシステムを利用すれば,技術者自身がパソコンとの会話を通じて最適の方法やシステムを選び,それらを用いて実際の設計に役立つための予測計算を行うことができる。解析コ-ドなどのデ-タベ-スは,コンピュ-タ-,数値解析などに関する知識があまりない人でも簡単に使えるように,すべて対話形式になっていて,ディスプレイ上の質問に答えるだけでデ-タの入力ができる。一方,掘削を始めてからの岩盤挙動を監視するシステムについても,新たにいくつか開発し,実際に住友セメント(株)小倉事業所の坑内採掘現場に適用して,それらの性能を確かめている。また現在までに開発されているその他の種々のモニタリングシステムに関する情報を収集し,それらをデ-タベ-スとして収録しつつある。そこで,つぎには,現場の条件に応じて最適の計測システムを選択するためのエキスパ-トシステムを作成する予定である。なお,出来上ったシステムは,入力デ-タを保存するル-チンや修正するル-チンも備えていて,かなりユ-ザ-フレンドリ-になっている。
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