研究課題/領域番号 |
03452243
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大塚 和弘 筑波大学, 物質工学系, 教授 (50029881)
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研究分担者 |
大庭 卓也 帝京大学, 理工学部, 助教授 (00211110)
小田 克郎 筑波大学, 物質工学系, 講師 (80177229)
宮崎 修一 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (50133038)
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キーワード | 無拡散相変態 / 変態の結晶学 / 現象論 / 7Rマルテンサイト / Ni-Al / Au-Cd / 自己調整 / 格子不変変形 |
研究概要 |
格子力学的観点他種々な角度から興味を持たれているNi-Ae合金の β2→7R変態の結晶学については前年度研究を行い、「現象論」があらゆる角度から適用できることを明らかにした。本年度はこの7Rマルテンサイトの自己調整形態について詳細な研究を行い、以下の結果を得た。他のβ相合金と同様、この型の変態においても、{011}β_2周わりの四つの晶癖面バリアントが対をなして生成していることを、X線回折ならびに二面解析で明らかにすると共に、「現象論」による計算から、これらの歪が効率よく歪を緩和していることを明らかにした。更に自己調整の機構については、従来ダイアモンド型が提唱されているが、我々は「平行四辺型」のモデルを提唱し、実験結果は後者とよく一致していることを示した。又この合金のβ2→3R変態についても同様の研究を行い、自己調整形態、機構共殆ど同じように扱えることを明らかにした。両変態の差異は、両マルテンサイトのサイズのみであり、7Rマルテンサイトは3Rマルテンサイトより一桁小さいことを明らかにした。 これ迄多数の研究がありながら、多くの矛盾を含み、解決の得られていなかった、Ae-Cd合金のβ_2→ζ^,_2(三斜晶)変態についても詳細な研究を行った。その結果、Ledbetter達の格子定数を用いれば、「現象論」がよく成り立つという結果を得て、従来の矛盾を解消することができた。しかしながらLedbetter達の用いた合金と我々の合金はCd濃度が0.5at90異なるので、格子定数を測定しなおしたところ、理論と実験の誤差は大きくなった。この型の変態では、格子定数の精度が結果に敏感に影響するので、格子定数測定を更に続行していく必要がある。この変態の自己調整型態についても研究を行い、「ヘリングボーン型」と「屋梠型」の二つの形態を見出し、この変態における格子不変変形についての従来の矛盾を解消することができた。
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