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1992 年度 実績報告書

クラック先端の局所過程と破壊靭性

研究課題

研究課題/領域番号 03452245
研究機関京都大学

研究代表者

成田 舒孝  京都大学, 工学部, 助教授 (10026213)

研究分担者 足立 裕彦  京都大学, 工学部, 教授 (60029105)
キーワード破壊 / クラック / 結晶欠陥 / 転位 / 破壊靭性 / 双晶
研究概要

クラック先端における局所過程の破壊靭性に及ぼす効果を明らかにするため,本年度は,転位の活動に影響する要因と破壊抵抗との関係について研究を行った。得られた結果は,次のように要約される.
(1)NaC1型イオン結晶は,低温から室温まで昇温するにつれて(110)すべり転位の活動が活発になるにも拘らず、靭性値K_<IC>は低下し,Brの固溶やγ線照射によって転位活動を抑制すると室温でのK_<IC>値は低温の値にまで回復することを示した。この結晶では,単結晶作製時に導入される転位が転位源となることから,この効果を取り入れて計算機シミュレーションを行った結果,転位源がクラック先端から離れて存在すると,反遮蔽転位のみがクラック先端に近づいて靭性値を低下させることが明かとなった.
(2)これらイオン結晶の靭性値が低くなる室温近傍においても,水分子が表面に吸着すると靭性値の上昇する現象を理解するため,水分子がクラック表面などに付着した場合の結合状態の変化を電子論的に計算した結果,水の付着によって表面の結合が軟らかくなることを示した.この結果はクラック先端から遮蔽転位が生成されやすいことを意味し,その転位によって靭性値の上昇することを強く示唆している.
(3)体心立方晶系のFe-Si合金結晶などにおいて,低温で特定の方位関係を有する双晶同士の交切によってクラックの生成・成長することを示し,その過程の電算機シミュレーションによって,特定の双晶系に属しかつ動的に伝播する双晶ミッドリブ同士の衝突がクラック生成・成長の原因であることを明らかにした.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Nobutaka Narita: "Deformation Twinning in f.c.c. and b.c.c Metals" Dislocations in Solids. 9. 135-189 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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