研究概要 |
1.TiーNi系金属間化合物に関する研究 電子顕微鏡その場観察により、TiーNiーFe合金およびTiーNiーAl合金の多段変態の過程を明らかにした。すなわち高温からの冷却にともない、B2構造を有する母相の応力集中場所に、R相が発生し成長すること、単一転位が発生場所になりうること,成長とともに4種類のバリアントを3次元的に組み合わせることにより自己調整を行うことを明かにした。またTiーNiーCu合金に加工熱処理を施すと記憶可能変形が改善されることをみいだした。 2.NiーAlーFe、NiーAlーCrおよびFeーCrーNiーAl合金に関する研究 NiーAl合金にFeあるいはCrを添加すると加工性が向上することがわかった。またFeを添加した合金のマルテンサイトは添加しないものに比べ著しく硬度が低下し、Crを添加したものは逆に硬化することがわかった。またFeーCrーNiーAl合金中のNiAl型金属間化合物は、マルテンサイト変態しないことが明かとなった。 3.チタン酸バリウム(BaTiO)に関する研究 冷却・加熱にともなう変態過程を透過電子顕微鏡によるその場観察し、常誘電ー強誘電変態は核生成、成長機構により起きること、およびその際90度分域、180度分域が発生することをみいだした。 4.ニオフ酸ストロンチウム・バリウム系材料に関する研究 基本的には正方タングステンブロンズ構造を有するが、微視的にはインコメンスレ-ト構造が関与していることがわかった。これは散漫相変態と深く関係しているものと考えられる。またTa添加により変態はより散漫になることがわかった。
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