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1991 年度 実績報告書

電子材料用の金属薄膜の熱歪による形状変化

研究課題

研究課題/領域番号 03452257
研究機関京都大学

研究代表者

村上 正紀  京都大学, 工学部, 教授 (70229970)

研究分担者 大槻 徴  京都大学, 工学部, 助手 (10026148)
キーワード薄膜歪 / 薄膜応力 / X線回折
研究概要

硬い基板に蒸着された薄膜の歪挙動を二年間にわたり研究する。初年度は1.歪測定に必要な実験装置の設置、2.Si基板上にPb薄膜の作製、3.歪の膜厚および結晶方位依存性の測定に集中した。これらの主な研究実績を下記にまとめる。
1.歪測定装置の設置
(1)歪測定に必要な試料冷却装置を既存のX線回折装置に設置した。試料室はスパッタ-真空装置を用いて真空にした。
2.Pb薄膜作製
(1)Pb薄膜蒸着を操抗加熱ヒ-タ-を用いて10^<-6>Torrの真空下で行い、0.35μmおよび0.14μm厚の薄膜を作製した。
(2)Pb薄膜を用いた主な理由は(1)Pbは大きなX線散乱因子を有する、(2)熱膨張係数が大きい、(3)大きな結晶粒が得られる、(4)弾性係数は強い結晶方位依存性を示すためである。
3.主な実験結果
(1)試料冷却装置内で15Kに冷却した際にPb薄膜に導入される歪が測定できた。
(2)弾性歪には膜厚依存性が強く0.14μm厚の薄膜は殆ど弾性的に歪み、0.35μm厚の薄膜は50%程塑性変形していることが明確になった。
(3)膜表面の垂直歪は結晶方位依存性を示し、(100)面が膜面に平行な結晶粒は(111)面のものに比べ50%以上弾性的に歪んでいる事が明らかになった。
(4)実測された弾性歪の結晶方位依存性は平面歪モデルで計算された結果とよく一致した。この事より薄膜には垂直方向の応力は全く無視できる位小さく、0.14μm厚のものには膜と基板間で“すべり"が殆どない事を示す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 村上 正紀: "超伝導ジョセフソン素子材料の開発研究" 水曜会誌. 21. 409-420 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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