研究課題/領域番号 |
03452267
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野口 昌巳 京都大学, 農学部, 教授 (00026501)
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研究分担者 |
澤田 豊 京都大学, 農学部, 助手 (80226076)
藤井 義久 京都大学, 農学部, 助手 (10173402)
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キーワード | 丸鋸 / 高周波誘導加熱 / 熱処理 / 金型 / 腰入れ |
研究概要 |
(1)丸鋸の熱処理用金型の設計および試作 上下対称の一対の金型の接触面に、熱処理油の流出速度を制御すると共に、丸鋸を挟んで固定する役割りをもつ菱形(一切の長さ12mm、頂角30度および150度)のランドを設けた。直径300mmの接触面を12等分して、中心角30度の扇形を設定した。扇形の中心角の2等分線に直交し、かつ相互の間隔が20mmである扇形内の線分5本の上に、長いほうの対角線が中心角の2等分線に平行で、かつ同一線分上にあるランドの中心の間隔が10mmになるようにランドを配置したので、金型の両接触面にはランドがそれぞれ240個並んだ。ランドの設計に際して、今回購入したワ-クステ-ションが威力を発揮した。 (2)高周波誘導加熱用コイルの製作 コイルを設計する時に留意すべきことは、直径305mmの丸鋸全面の均一な加熱と丸鋸の着脱の容易さの2点である。コイルは着脱が容易な割り型とし、かつ丸鋸をコイルの間で100rpmで回転させて、上記の2点を満足させることができた。熱効率の面からは、コイルギャップが小なるほど好ましいが、作業性の観点から15mmにとどめた。 (3)高周波加熱条件の決定 基本的には電気炉で行われる焼入れ(600〜650℃で15〜20分)および焼きもどし(400〜450℃で20分)における熱量と等価の熱エネルギ-を、高周波加熱によって効率よく与えればよい。若干の経験則を考慮して模索し、焼入れ時の電源条件として118kW、200kHz、また焼きもどし時には27kW、200kHzとして、30〜35秒間加熱後スイッチを切ることにした。この場合のプレ-ト電流はそれぞれ11Aおよび5.4Aである。最高温度は前者で950〜1000℃、後者で600℃程度と推定される。
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