研究課題/領域番号 |
03452275
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
蔵田 憲次 東京大学, 農学部, 助教授 (90161736)
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研究分担者 |
荊木 康臣 東京大学, 農学部, 助手 (50242160)
後藤 英司 東京大学, 農学部, 助手 (00186884)
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キーワード | 細胞培養 / 液体培養 / 流れの可視化 / せん断力 / バイオリアクター / ストロボスコープ |
研究概要 |
本研究の目的は、植物細胞や細胞塊の液体培養で、培養液の混合や酸素補給のための撹拌による細胞への物理的ストレス(せん断力)を解明し、よりストレスの少ない培養方法開発のための基礎的な知見を得ることである。昨年度までに、もっとも普及しているフラスコの振とう培養の培養液の流動の可視化および可視化画像の解析による渦度やせん断力の分析を行った。本年度は対象をバイオリアクターとし、同じく培養液流動の可視化および可視化画像の解析による渦度、せん断力の解析を試みた。 しかしながら、フラスコ振とう培養の場合、培養液の流動は近似的に2次元平面内での動きとみなすことができるのに対し、バイオリアクターの場合、流動はあくまで3次元的である。そこで、レーザー光線を平面的に照射して2次元断面を可視化することはあきらめ、3次元的流動をそのまま捉えることを試みた。方法はナイロン粒子を用いたトレーサー法である。3次元流動を捉えるため、2方向から撮影した。また、ストロボスコープを用い、流線の最初と最後に色付けをし、流線ベクトルを同定するようにした。 上記の方法で3次元流動を捉えることを試みたが、次の困難にぶつかった。2つの撮影画面上で粒子の対応付けを行う必要があるが、粒子数を増やすと対応関係の把握が非常に困難になる。逆に、粒子数を減らせば、この困難は解消できるが、得られる情報が少なくなる。この困難を克服するためにいろいろな方法を試みているところである。 以上の理由で、当初予定の可視化画像の解析までは進めなかったが、引き続き研究を続行し、上記の困難を克服し、画像解析まで行う予定である。
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