1. アルフベン波を直接励起するためのアンテナの作成を行った。ほぼm=0モ-ドのシア・アルフベン波の直接励起が可能らしいことが分かってきたが、現在デ-タを解析中である。アンテナ近傍での分散と遠方での分散に違いがありその理由がまだ判明していない。たぶんm=1の速波が同時に励起されて、それが減衰率が小さいため遠方で生き残り、シア・アルフベン波と干渉しているためと思われるが、この点は2年目の課題の一つにいれたい。 2. これまでのアンテナの励起に基づくアルフベン波の励起と比較しつつ、以下の事が判明した。 (1)宇容プラズマ、特に磁気圏でのmicroーpulsationのメカニズムを明らかにする基礎実験になっており、実験室に置いてスペ-スプラズマの検証か可能であることが実証された。 (2)オ-ロラ、核融合などでの粒子加速、加熱で重要な役目をしている、あるいは期待されている運動論的アルフベン波の実証にほぼ成功した。 3.アルフベン波特有の現象の一つとして「凍りつき」あるいはcoーrotationなどがあるが、後者の基本的な性質を明らかにするために、水銀を使い基礎実験を行った。その結果、非線形現象としてkelvinーHelmholtz不安定で発生した渦の形成、さらに銀河系の生成とも関係があると思われる螺旋構造への発展が実験的に明らかになった。
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