研究課題/領域番号 |
03452287
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
宮本 徹 日本大学, 理工学部, 教授 (10059256)
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研究分担者 |
相沢 友勝 東京都立高専, 教授 (00072091)
高杉 恵一 日本大学, 理工学部, 講師 (50187952)
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キーワード | ガスレーザー / N_2レーザー / 縦電場励起 / Zピンチ |
研究概要 |
本課題の目的は、短波長パルスレーザーを縦電場により放電励起する可能性を探ることにある。そのため研究の中心を新しく提案した、レーザー放射方向に電極を分割した多重電極型縦電場励起放電の確立におき、取扱が容易な、またレーザーとしてほぼ確立しているN_2レーザーを具体的な対象として研究した。、同時に、希薄ガス圧での同様な縦電場放電であるZピンチにおける放射について研究してきた。結果は次の通りである。 1.縦電場励起型では不可能であった大気圧ガスでのパルスレーザ励起が可能であることを示した。しかし、各電極間の電流測定から、電極を分割し積層にした本研究の放電方式の最大の問題点は、各電極間の放電が独立であるため、各々に存在する放電遅れが一定せず、放電の安定性、再現性が良くないことにあることが明らかになった。この点を改善するため、電圧を高めると共に、種々の予備電離放電の効果を検討した。その結果、予備電離放電からの各電極間放電の遅れを20-30ns、ジッターを5-10ns程度にまで安定化させることができた。しかし例えばN_2レーザーの3371Aの自然放射の寿命は40ns程度なので、レーザーの再現性、強度・効率を高め、この方式の実用化のためには、さらに改善の必要がある。それ故、なお今後1-2年研究を継続する予定である。 2.ガスパフZピンチを用いた、希薄ガスでの真空紫外および軟X線領域(プラズマ温度は数100eV-1keV)の放射特性について研究した。特にガス入射を軸に平行ではなく、軸に向かう方向に角度を持たせることにより、プラズマ柱の一様性が高まることを示した。短波長レーザー媒質としての可能性を明らかにするため引き続き今後数年研究する予定である。
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