研究課題/領域番号 |
03452288
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
広瀬 啓吉 東京大学, 工学部, 助教授 (50111472)
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研究分担者 |
亀田 弘之 東京工科大学, 工学部, 助教授 (00194994)
今泉 敏 東京大学, 医学部, 助教授 (80122018)
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キーワード | 音声対話システム / 規則合成 / 深層意味表現 / 話題依存規則 / 韻律規則省略・照応表現 / 焦点制御 / 高品質音声合成 |
研究概要 |
本研究は、音声による対話システムの高度化を最終目標として、質問等の入力に対して適切な応答文章を生成し、文章全体を考慮した自然な韻律的特徴を持つ高品質文章音声を合成する技術を確立することを目的とする。具体的には、スキー場案内を主題とする音声応答システムを対象とし、システムへの入力は深層意味表現を想定する。本年度は、昨年度の研究成果を踏まえ、以下の実績をあげた。 (1)対話に関する規則を、対話の流れに関する一般的な規則と、話題・タスクに依存する個別的な規則に分け、後者の話題依存規則を個々の事例に基づいて作成した。実際に対話処理を行うシステムを構築し、話題依存規則の導入により、自立語程度の情報で応答生成が可能となる事、過去に利用した話題依存規則を検索して比較的容易に省略・照応表現を補完し得る事を示した。さらに、規則の追加・変更が容易という利点も有することを示した。 (2)対話処理によって、リスト形式の格構造表現(深層意味表現)で生成された応答内容に対し、助詞の付加、述語の活用を行い、表層文を作成する手法を開発した。この際、深層意味表現から得られる言語情報を用いて、音声と直接対応する単音・韻律記号列を同時に生成する。 (3)模擬対話音声の韻律的特徴を分析し、得られた結果に基づき既開発の朗読音声用の韻律規則に修正を加え、対話音声用の韻律規則を作成した。この規則は対話の焦点の制御も含む。 (4)以上の成果と既開発の音声合成システムを組み合わせ、応答音声を合成するシステムを構築した。実際に得られる応答音声を聴取してシステムの有効性を確認した。なお、音質向上のための合成器の開発も行い、システムに組み込んでいる。 以上、交付申請書に記載された研究計画はほぼ予定通りに達成した。
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