研究概要 |
平成3年度は,CADシステムのための演繹デ-タベ-スのプロトタイプを作成し,それを実用規模の問題に適用し評価した.その結果,CADシステムの高機能化において,演繹デ-タベ-スの手法が有効であることを確かめることができた.以下に具体的な研究成果を示す. 1.CADシステムにおいて,図面上の部品の条件付き・間接的接続関係を求める質問を記述する場合には,複合項の必要性が生じることがある.例えば,2つの部品間のすべての部品を列挙したい場合,列挙した部品を保持しておくために複合項(例えばリスト)を用いて処理することが考えられる.このような複合項を含む質問を処理するための効率化手法を提案した. 2.演繹デ-タベ-スをCADシステムに応用する場合,演繹デ-タベ-スの専門家でないユ-ザにとって,再帰ル-ルを用いて質問を記述することは容易ではない.特に,条件つき接続関係を記述するためには,再帰ル-ル中に条件の記述を埋め込む必要があり,ユ-ザによる記述はさらに困難になる.そこで,条件付き接続関係検索のための質問を分類し,検索問題を適切に記述できるようにユ-ザを支援する枠組を提案した.この枠組に従えば,ユ-ザは論理的な条件の記述に集中できる. 3.演繹デ-タベ-スにおける再帰質問(再帰ル-ルを用いて記述された質問)を効率よく処理するため,さまざまな質問処理手法が提案されている.ル-ルのボディリテラルの評価順序によって,これらの手法の適用可能性や効率が大きく変わる.我々は,再帰質問をよく処理するために有効な,ル-ルのボディリテラルの評価順序決定戦略を提案した.また,この戦略に基づいたル-ル変換手法を提案した.
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