研究課題/領域番号 |
03452295
|
研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
酒井 豊子 放送大学, 教養学部, 教授 (50073549)
|
研究分担者 |
酒井 哲也 共立女子大学, 家政学部, 教授 (50016375)
|
キーワード | 万年床 / 敷き布団 / 布団の吸湿 / 布団内温度 / 布団内湿度 / 布団内水蒸気圧 / 布団の天日乾燥 / 布団乾燥機 |
研究概要 |
1.温湿度変化の測定 敷き布団を2枚重ね、仰向けに寝た場合に背中の下に当たる位置で、それぞれの厚さの中心部に温湿度センサ-を挿入し、離床中も部屋に敷き放しの、いわゆる万年床の状態で連日使用し布団内、布団間、布団下の温湿度の変化を連続的に記録した。(1)温度の上昇速度は、就寝後1時間くらいまでは上側(身体に近い部分)ほど速く、その後は各位置ともほぼ同速度で上昇する。起床時の上側敷き布団内の温度は連日変わらず、下側は経過日数と共に上昇し、上下の温度差は小さくなる。(2)湿度の上昇速度は、就寝後1時間くらいまでは上側ほど大きく、その後は逆転し下部ほど大きくなる。湿度は経過日数と共に全体に高くなり、特に下部で著しい。(3)水蒸気圧は、上側敷き布団内が就寝中常に高く、下側敷き布団、畳へと水分移動が続く。2.吸湿量の変化 吸湿量は敷き布団の重量を電子天秤により測定しその変化から評価した。十分に乾燥させた直後の重量を基準とし、その時の水分率は、敷き布団に挿入して同時に乾燥させた小布団の水分率から推定した。連日使用する間の敷き布団は、就寝により常に加湿し、離床中に乾燥するとは限らず、就寝により重量を減じ離床中に増加する場合もある。敷き布団の吸湿は室内の温湿度に影響され、万年床でも毎日押入に収納した場合と大きな違いはないが、布団の下面と畳の吸湿が万年床の最大の問題である。 3.布団の乾燥 (1)天日乾燥では布団内部の温度は、夏季には50 ^゚C以上に達し、水分率2.4%程度まで乾燥できる。冬季には天候条件が良くても30 ^゚Cを超える程度である。(2)布団乾燥機は2時間の運転で真夏の天日乾燥に匹敵する。 4、厚さの変化 乾燥してよく膨れた布団の厚さは連日使用により双曲線的に減少し、3週間連続使用してもなお減少傾向を示す。
|