研究概要 |
研究の目標を前年度にひきつづき、原始tRNA作成のための要素を決めるため、現在のtRNAの酵素による決定認識要素をいろいろなtRNAについて見出すこと、これによってヒントを受けた小RNAを作成しその酵素的ないし非酵素的アミノアシレーションを測定し、機能を見ることの二点にしぼった。 まず前者については、大腸菌のすべての(20種の)tRNAを非修飾の形で作成し、その内GIu,Ile,Lysを除く17種のtRNAが対応する酵素のgood subatratesであるこてを確認した。これだけのlibvaryを持つ研究室は世界でも我々のものが唯一であり、tRNAのシステマティックな研究を統一的に行う道を開いたといえる。実的その方向に研究は発展しつつあり、塩濃度のアミノアシレーションへの物質がtRNA毎に違う様子、CCA末端の塩基依存性が違う様子、第一塩基対が多くの場合G・Cであることの必要性、アレチコトンループの形の必要性の違いなどが次々に判明しつつある。 認識部位がアンチコドン、73位のディクリマネータに集中していることは後に判明したので、アクセブターステムの認識部位とアミノ〓の大きさの関係といった他の部位の問題が今集中的に取り上げられており、特に種を通じて良く保存されている塩基に関しては殆んど潰し終った。種の進化に伴ったアイデンティティ変化も調ベつつある。 こういった情報に基づいて、30-35塩基くらいのtRNAをクローン化ないしPCRで大量に製作する方法がいろいろと検討された。gly,Pro,Cnsなどではクローン化に成功したが、VAl,Hisなどでは成功しないといったものによる特徴がでつつある。来年度はクローン化の方法・条件を変えて〓才的な原始的tRNAの精製に挑みたい。
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