研究分担者 |
石田 光男 東海大学, 開発工学部, 講師 (20232316)
梅原 智夫 東海大学, 海洋学部, 講師 (30056270)
河村 勝久 東海大学, 教育研究所, 助教授 (70119668)
渡辺 信 東海大学, 理学部, 助教授 (70240489)
田中 〓一 東海大学, 海洋学部, 教授 (00119687)
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研究概要 |
理工系大学卒業者の製造業離れ,大学入学試験問題に対する数学の比重の低下,数学離れ現象の明確化など,数学学力の低下が大きな社会問題になっている.数学の学力を向上に向かわせる要因は少ない.大学生の学力の低下現象は最近始まった問題ではないが,多くの指導者が真剣に問題にするようになった.東海大学海洋学部は7年間の微分積分の学力を調査検討し,この学力低下に対する対策を講じてきた.その結果,個別学習をパソコンを使用することによって同じ時間帯に可能にすると共に,大学生にふさわしい数学学力の回復の指導方法を確立した.数学離れの現象は簡単な数学知識の理解不足,計算方法の誤りから始まり,その上に積み上げられる教育方法が,数学離れをより一層加速させている.理工学部(数学専攻をのぞく)の専門科目を学ぶ学生にとって,数学的知識は何が必要であるかを踏まえた数学教育の必要性を考えなくてはならない.この研究の報告は「基礎数学」講義の準備段階・実施段階の歴史を示すことにした.多くの試行錯誤は現場での実践によって作られたからである.CAIを利用した数学講義は個人指導を可能とした.数学の学力低下に対する処置としての方法は,(1)個別に指導をするCAIの活用が有効であること(2)確実に内容を消化することによって,数学に対する自信を付けることが必要である.基礎的数学を理解し自信を持って,専門科目に対処できるようにするためには,数学教育の研究が重要であり,高校との連携・学習指導方法・学習効果の測定等を談話会,研究会を開催した.1年生の出発点に数学の学力を回復しておくことは,理工学部における学習にとって絶対的に必要であることを基礎数学の講義が実証し,現在の数学教育の問題点の解決策を示していると考えられる.
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