• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

時間分解分光法による励起分子の状態間相互作用の研究

研究課題

研究課題/領域番号 03453019
研究機関東京工業大学

研究代表者

渋谷 一彦  東京工業大学, 理学部, 助教授 (30126320)

キーワード光一光二重共鳴 / スピン軌道相互作用 / 過渡吸収 / 光熱分光 / 二酸化窒素 / ナフタレン / ジフェニルアミン / ベンゾフェノン
研究概要

ナフタレンのヘキサン溶液において得られた熱レンズシグナルの時間変化は、速い成分(励起分子の振動緩和、内部変換、三重項への項間交差によって生じる熱に対応)と遅い成分(三重項ナフタレンの失活の際、放出される熱による)からなる。レンズ信号強度の全発熱量(U_T)に対する励起光強度依存性を測定したところ、2次の相関を示した。レ-ザ-光の時間幅、S_1の寿命を考慮し、さらに308nmでTーT吸収が観測されなかったことから、この2光子の過程はS_n←S_1吸収によって生じた熱によるものと考えられた。そこで、U_Tの励起光強度カ-ブを解析することによって308nmでのS_n←S_1吸収の吸光係数を求めた。熱レンズにおいて2光子が強く起きている領域で、ケイ光、TーT吸収は逆に相対的に減少した。このことは、S_n状態からS_1の底へのへの緩和が全てでないことが明かとなった。解析の結果、各過程の量子収率はS_n→S_1への内部変換が0.8、S_n→S_1(v)→S_0が0.2、S_n→T_n→T_1がゼロと決まった。
ジフェニルアミンからジヒドロカルバゾ-ルへの光環化反応を熱レンズ法を用いて反応熱の測定、及び中間体の励起状態からの反応性について調べた。環化反応は三重項状態で進行する。発熱量を定量することによって反応熱、三重項励起エネルギ-を決定した。反応中間体の励起状態からは、基底状態とは異なる反応経路が存在する可能性がある。2ーcolorによる過渡吸収によって、ジヒドロカルバゾ-ルの励起状態から反応の量子収率を0.63でジフェニルアミンに戻る反応が支配的であると結論された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Shibuya: "Possible rotationally resolved detection of NO_2 in the C^2A_2 state by opticalーoptical double resonance spectroscopy" J.Chem.Phys.95. 720-721 (1991)

  • [文献書誌] T.Suzuki: "Calorimetric Standards for Photochemical Methods in Ultraviolet and Visible Spectral Regions" Rev.Chem.Intermedi.15. 261-270 (1991)

  • [文献書誌] Y.Kajii: "Transient absorption,lifetime and relaxation of C_<60> in the triplet state" Chem.Phys.Letters. 181. 100-104 (1991)

  • [文献書誌] T.Suzuki: "Photocyclization of Diphenylamine Studied by TimeーResolved Thermal Lensing:Heat of Reactions,Energetics and Reactivety of Intermediates" Bull.Chem.Soc.Jpn.

  • [文献書誌] T.Suzuki: "Relaxation Processes of HighlyーExcited Naphtalene in Solution Studied by TimeーResolved Thermal Lensing Technique" Chem.Phys.

  • [文献書誌] Y.Kajii: "Photodissociation of HighlyーExcited Triplet State of Benzophenone Studied by a TimeーResolved Thermal Lensing Technique" Bull.Chem.Soc.Jpn.

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi