光-光二重共鳴(OODR)法を二酸化窒素に適用した。D^2B_2からの可視発光はD^2B_2→C^2A_2遷移に帰属された。可視光吸収のエネルギー領域での混合状態がスピン軌道相互作用を介して生成していることが確認され、この相互作用が励起状態間ネットワークとして重要であると結論された。darkstateとしてこれまで分光学的な直接測定ができなかったC^2A_2状態のオリジンと複数の振動準位のT_V値が決定され、回転解析もなされた。 新物質として注目されるC_<60>の三重項-三重項吸収スペクトルを最初に報告した。添加物質のない系ではその光化学的安定性が確認された。アミン(A)存在下でC_<60>を光励起すると、最低励起一重項状態のC_<60>を経由したエキサイプレックス(C_<60>^--A^+)生成が観測された。さらにこのエキサイプレックスは基底状態のC_<60>との反応で消失した。 エキシマーレーザー光(308nm)の二光子励起で溶媒による吸収をさけ、真空紫外光照射に匹敵する光励起ナフタレン分子を生成した。実際、熱変換効率は100%であったが、Kasha則を破る内部変換の寄与が18%もあることを見いだした。 最低励起三重項(T_1)状態のベンゾフェノンを450-600nmの領域で光励起しても生成した高励起三重項(T_n)状態は、内部変換で100%の収率でT_1状態に戻った。しかし308nmの紫外光を照射すると51%の収率で2分子のフェニルラジカルと一酸化炭素に分解することも分かった。
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