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1991 年度 実績報告書

高密度光励起に伴なう巨大サイズ分子クラスタ-の蒸発・分裂・解離過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 03453021
研究機関三重大学

研究代表者

篠原 久典  三重大学, 工学部, 助教授 (50132725)

キーワードクラスタ- / レ-ザ-脱離イオン化 / 解離 / フレ-レン / 金属内包フレ-レン / 飛行時間質量分析 / C_<60>
研究概要

初年度は、大きなサイズのクラスタ-を観測するための高分解能・高質量質量分析計の装置の開発を行ない、炭素クラスタ-の脱離と解離についての実験を行なった。
1.レ-ザ-脱離リフレクトロン飛行時間型質量分析計の開発:
固体状の試料から、レ-ザ-蒸発によりクラスタ-を生成させイオン化する方法には、大別して2通りの方法がある。本年度は、レ-ザ-脱離イオン化方法により、クラスタ-の検出を行なった。
2.炭素クラスタ-(フレ-レン)の脱離イオン化を解離:
コンタクト・ア-ク方法で生成した、種々のサイズの炭素クラスタ-をレ-ザ-脱離した。その結果、レ-ザ-強度が〜50μJ/spotの時は、C_<60>、C_<70>、C_<76>、C_<78>、C_<82>、C_<84>、C_<90>〜C_<96>の各ピ-クが質量スペクトルに現れた。以上の炭素クラスタ-は、カラム・クロマトグラフィ-や高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)を用いて実際に単離されているクラスタ-であることから、本レ-ザ-脱離イオン化質量分析法は、フレ-レンをソフトにイオン化することが解った。これは、同様の試料を、強いレ-ザ-強度、〜1mJ/spotで脱離イオン化された時の質量スペクトルには、明らかに親イオンのフラグメントに起固される炭素クラスタ-が観測されたことからも明白である。
3.金属内包炭素クラスタ-(metallofullerene)の質量分析:
グラファイト粉末とLa_2O_3,Y_2O_3SC_2O_3などの金属酸化物のコンポジット棒を用いて生成した、金属内包フレ-レンのレ-ザ-脱離イオン化質量方析を行なった。La,Y_1Scの各場合に,LaC_<82>,YC_<82>,ScC_<82>の金属内包フレ-レンが観測された。通常のFAB質量分析などと比較すると、一桁程度高い感度で、これらの金属内包フレ-レンを検出することに成功した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] H.Shinohara: "Encapsulation of Scandium Trimer in Fullerene" Nature.

  • [文献書誌] H.Shinohara: "Mass Spectroscopic and ESR Characterization of Soluble YC_<82>and Y_2C_<82>" J.Phys.Chem.

  • [文献書誌] H.Shinohara: "Extraction and Mass Spectroscopic Characterization of Giant Fullerenes up to C_<500>" Rap.Commun.Mass Spectrom.

  • [文献書誌] H.Shinohara: "Formation and Extraction of Very Large AllーCarbon Fallerenes" J.Phys.Chem.95. 8449-8451 (1991)

  • [文献書誌] H.Shinohara: "Carbon Kーedge Xーray Absorption NearEdge Structure of Solid C_<70>" Chem.Phys.Lett.183. 145-148 (1991)

  • [文献書誌] H.Shinohara: "Carbon Kーshell Xーray Absorption NearEdge Structure of Solid C_<60>" Jpn.J.Appl.Phys.30A. L848-L850 (1991)

  • [文献書誌] 梶本 興亜(編): "クラスタ-の化学" 培風館, 305 (1992)

  • [文献書誌] 篠原 久典: "C_<60>化合物の研究動向と応用展望" CMC社, (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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