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1991 年度 実績報告書

キラルシントンとしての光学活性含硫黄シクロアルカノ-ルの効率的合成

研究課題

研究課題/領域番号 03453027
研究機関三重大学

研究代表者

藤澤 有  三重大学, 工学部, 教授 (60115730)

キーワードパン酵母還元 / 含硫黄キラルシントン / 立体選択的還元 / プロスタグランジン中間体 / 集合フェロモン / 光学活性シクロアロカノ-ル / テトラヒドロチオピラン / RambergーBaecklund反応
研究概要

天然には有用な薬理作用をもつ光学活性化合物が数多く存在し、一般には一方の光学異性体のみがその活性を示す。これらの合成には官能基を持つ光学活性体がその原料として必要があるが、硫黄官能基は反応性にも富むことが知られており、各種の官能基変換法や炭素鎖伸長法などが報告されている。従って光学活性な環状有機化合物を不斉合成する際の出発原料として硫黄官能基を有する光学活性シクロアルカノ-ルはきわめて有用な出発原料となりうる。本研究では含硫黄環状ケトン類のパン酵母による立体選択的還元反応を検討し、得られた含硫黄キラルシントンを硫黄官能基の有する特異的な反応性を利用して生理活性化合物の合成へ応用した。すなわち2ーフェニルチオシクロヘキサン及びシクロペンタンあるいは2ーフェニルチオシクロペンテノンの還元では(1R.2S)ー2ーフェニルチオアルカノ-ルが光学的に純粋な形で得られることを見いだした。また4ーオキソー3ーテトラヒドロチオピラニル酢酸エステルの還元では光学的に純粋なヒドロキシエステルが良好な収率で得られることを見いだし、得られたヒドロキシエステルは官能基変換を行うことによりプロスタグランジン合成の有用中間体に光学的に純粋な形で誘導することに成功した。また3ーアシルテトラドロチオピランー4ーオン誘導体の還元により(3R,4S)ーケトアルコ-ルが良好な収率で得られることを見いだし、さらに生成物をRaney Niで脱硫することによりこくぞう虫の集合フェロモンであるSitophilureを高い光学純度で合成できた。上述したように本研究はパン酵母など微生物を利用する際に最も障害となる基質特異性および基質や生成物の代謝分解の問題を還元基質に硫黄官能および種々の官能基を導入することにより解決し、さらに還元生成物を目標化合物に変換する際にはそれら硫黄官能基などの反応性を活用して炭素鎖伸長や官能基変換を行うことができる高選択的な不斉合成手法である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Fujisawa: "Higly Enantioーand Diastereoselective reduction of SulfurーFunctionalized Cyclic Ketones with Bader's Yeast" Tetrahedoron Letters. 32. 399-400 (1991)

  • [文献書誌] T.Fujisawa: "Enantioselective Reduction of 4ーOxoー3ーtetrahydrothiopyranylacetates with Bakers'Yeast and Application to the Synthesis of a Prostaglandin Intermediate in Optically Pure form." Tetrahedoron Letters. 32. 7055-7058 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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