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1991 年度 実績報告書

ポリゲルミルイオンラジカルの生成と反応性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 03453032
研究機関学習院大学

研究代表者

持田 邦夫  学習院大学, 理学部, 教授 (20118772)

研究分担者 岡野 光俊  学習院大学, 理学部, 助手 (30194377)
キーワードポリゲルマン / 電極反応 / 電荷移動反応 / HOMO / LUMO / イオンラジカル / 分子軌道法 / 光反応
研究概要

14族元素(特にケイ素、ゲルマニウム)が連なった化合物(カテネ-ト)の反応を明確にし、その化学を一層発展させるために重要な反応中間体としてのポリゲルミルイオンラジカル(陰イオン,陽イオン)の構造(電子状態等も含む),反応性を化学反応的にまた分光学的に研究することを目的とした。(1)鎖状および環状ポリゲルマンの合成と物性;鎖状および環状ポリゲルマンの合成はトリメチルクロロゲルマンとジメチルジクロロゲルマンをアルカリ金属で縮合させることにより合成した。ポリゲルマンのUVスペクトルを測定すると、極大吸収波長(λmax)値はポリゲルマンの鎖長(n)の増加と共に長波長側にシフトし、n=30程度からλmax値がほぼ一定の値となる。この現象の説明としてσ(GeーGe)結合間の相互作用によるGe骨格に沿ってσ電子が非局在化し、HOMO(σ)エネルギ-順位が昇位するものとして説明できる。これらの事はポリゲルマンの電気化学的な酸化電位およびイオン化ポテンシャルの結果からも支持される。(2)ポリゲルマンーTCNE電荷移動反応;ジクロロメタン溶液中、ポリゲルマンとTCNEの混合物のUVスペクトルを測定すると、電荷移動(CT)スペクトルが可視部に観測され、その吸収極大(υmax)値はnの増加と共に長波長にシフトする。こうして得られたυmax値は、対応するポリゲルマンの第一イオン化ポテンシャルおよびUVスペクトルにおける遷移エネルギ-値とそれぞれ非常に良い相関を示す。観測されるCTスペクトルは室温では比較的安定であるが、適当な条件では徐々に減少し、1,2ー付加生成物を与える。またこの電荷移動反応の重要な中間体であるポリゲルミル陽イオンラジカルの電子状態を分子軌道法を使用して考察した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 岡野 光俊: "Electrochemical Approach to Germenium and Silicenium Ions" Chem.Lett.819-822 (1991)

  • [文献書誌] 持田 邦夫: "Absorption and Emission of GermylenesーTheir Complexation" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,. (1992)

  • [文献書誌] 持田 邦夫: "Palladiumーcatalyzed Addition of Germaniumーgermanium Bonds into Alkynes" Chem.Lett.(1992)

  • [文献書誌] 持田 邦夫: "He I Photoelectron Spectra of Permethylated Linear and Cyclic Polygermanes" Organometallics. 11. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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