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1993 年度 実績報告書

海洋生物由来の生理活性天然物の合成と分子認識

研究課題

研究課題/領域番号 03453037
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

山村 庄亮  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40076708)

キーワードブリオスタチン / 抗腫瘍活性 / プリアノシンA / トポイソメラーゼII / ディスコハブジンC / マカルバミン
研究概要

ブリオスタチン11の全合成において、すでにA環を含むC17-C27部分およびB、C環部を含むC1-C16部分の合成に成功している。そこで、2個のフラグメントをC16とC17位で結合しトランス二重結合の構築を種々検討した。すなわち、C16をアルデヒド基に、又C17にスルホン基を置き、C16-C17結合の形成を試みた。しかし、C17-C27部分のC17-スルホン化に問題があり、通常進行する反応が構造の複雑さによる立体障害などに起因し全く反応が起こらず、現在C17-C27フラグメントの部分的な手直しをしている。これまでの知見に基づき、ブリオスタチン11の全合成が近いうちに達成できると確信している。
他方、プリアノシンA、ディスコハブジンC等に代表されるテトラヒドロピロロキノリンアルカロイドは、特異な構造と抗腫瘍活性、特にトポイソメラーゼIIを阻害するために大変注目され、その全合成が世界中で競われている。既に本プロジェクトにおいて、ディスコハブジンC、バゼリンC、イソバゼリンCの最初の全合成に成功している。さらに、ディスコハブジンCの合成を基盤として、プリアノシンAの全合成を進めてきたが、テトラヒドロチオフェン環部分の導入には成功していない。ところが、最近Irelandらによりフィジー産の海綿からマカルバミン類が数多く単離・構造決定された。そのなかに、プリアノシンAの前駆体と思われるアルカロイドも含まれている(J.Am.Chem.Soc.,1993,115,1632)。報告者らは、これまでに得られた知見に基づき、マカルバミンA、B、C、Dの合成に成功し、その結果を速報として発表した(Tetrahedron Lett,1994,35,917)。現在、天然に見出された生合成前駆体を合成中間体としてプリアノシンAの全合成を目指している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Ohmori: "Synthetic studies on bryostatins,antineoplastic metabolites:convergent aynthesis of the C1-C16 fragment shared by all of the bryostatin family." Tetrahedron Lett.34. 4981-4984 (1993)

  • [文献書誌] H.Arimoto: "Synthetic studies on fully Substituted g-pyrone-containing natural products:the absolute configurations of ilikonapyrone and peroniatriols I and II." Tetrahedron Lett.34. 5781-5784 (1993)

  • [文献書誌] T.Izawa: "Total syntheses of makaluvamines A,B,C and D,metabolites of the Fijian sponge Z.cf.marsailis exhiviting inhibitory activities against topoisomerase II." Tetrahedron Lett.35. 917-918 (1994)

  • [文献書誌] X.L.Tao: "Synthetic studies on tetrahydropropyrroloquinoline-containing natural products:syntheses of discorhabdin C,batzelline C and isobatzelline C" Tetrahedron. 50. 2017-2028 (1994)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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