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1991 年度 実績報告書

薄膜系におけるインプランテ-ションによる化学反応促進機構の検証

研究課題

研究課題/領域番号 03453045
研究機関東北大学

研究代表者

吉原 賢二  東北大学, 理学部, 教授 (90004423)

キーワードインプランテ-ション / 薄膜系反応 / 収率・エネルギ-関数 / ホットアトム反応 / 収率飽和エネルギ- / 収率増大効果 / ロジウム・アセチルアセトン錯体 / パラジウム反跳源
研究概要

インプランテ-ション反応は高エネルギ-粒子の化学反応という意味でホットアトム化学反応に類似していると思われていた。ところが事実はこれと相違し,インプランテ-ション反応の収率は通常のホットアトム反応のそれに比較して1ケタ以上大きく,またその収率飽和エネルギ-はホットアトム反応に比べて3ケタ近く大きい。本研究では薄膜法を利用してこの原因を追求し,さらに驚くべき結果を得た。
パラジウム薄膜をライナックのγ線で照射し,(γ,p)反応によづて ^<105>Rhを作り,これをRh(acac)_3中に反跳インプランテ-ションする。同時にロジウム錯体中では ^<103>Rh(γ,n)^<102>Rh反応が起り,生成した反跳 ^<102>RhはRh(acac)_3薄膜中でホットアトム反応を起す。インプランテ-ション反応による反跳置換生成物は ^<105>Rh標識Rh(acac)_3であり,ホットアトム反応による生成物は ^<102>Rh標識Rh(acac)_3である。両者の収率はほとんど同じと思われたのにかかわらず,実際は ^<105>Rh標識化合物の収率6〜8%, ^<102>Rh標識化合物のそれはわずか0.7%程度にとどまった。すなわちインプランテ-ション反応の収率はホットアトム反応の収率に比べて圧倒的に大きいということが,同一照射条件の試料で紛れもなく立証された。
さらに上記の実験系でパラジウム薄膜の厚さをコントロ-ルして,反跳インプランテ-ションのエネルギ-を変化させたところ,驚いたことにある厚さになると収率が急激に上昇し始めることがわかった。この収率ーエネルギ-曲線は変曲点を持っている。これも本研究ではじめて明らかになった事実である。現在この説明をつけるために反応モデルを構築中である。
なおメタロセンの系についての結果も現在整理中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 宮川 篤: "Energy Dependence of the Formation Yield of ^<51>Cr(acac)_3 in Recoil Implanta tion Using a thin Film Technighe" Radiochimica Acta. 48. 11-15 (1989)

  • [文献書誌] 関根 勉: "Comparison of Implantation Reactions urith Hor Atoms Reactions in Geometrical and Optical Isomers of Metal βーDiketonates" Radiochimica Acta. 55. 71-77 (1991)

  • [文献書誌] 関根 勉: "Parent Type chemical Species Formed by Recoil Implantation Reaction in Tris(βーDiketonato)Metal(III)" Radiochimica Acta. 55. 65-69 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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