研究概要 |
1.カソ-ドルミネッセンス像の観察 (1)ルミノスコ-プの導入と観察条件の設定。 本研究の中心課題は炭酸塩岩の膠結物質(主としてカルサイトセメント)を、通常の偏光顕微鏡(光学像)とルミノスコ-プ(カソ-ドルミネッセンス像)によって観察する事により、セメントの起源を明らかにすることにあった。研究計画の初年度である平成3年度にはまずルミノスコ-プを導入した。明瞭なCL像を見るためには、薄片表面を充分研磨する必要がある。撮影のための露光時間は3分〜15分で鉱物粒子の損傷は殆どない。 (2)第四紀琉球石灰岩のセメントの観察 カルサイトセメントのファブリックとCL像に見られる累帯構造の特徴により、セメントの起源として、a:海成、b:淡水のphreatic、c:淡水のvadoseの3つを識別する事が出来た。石灰岩中でのa,b,cの出現のパタ-ン、前後関係を詳しく調べる事により、琉球石灰岩堆積時の相対的海水準変動を知ることが出来そうである。 2.微小部分の同位体分析 下部ジュラ系ジョムソン石灰岩は、ミクライト質石灰岩ユニットと基質の少ないウ-ライト質石灰岩ユニットの繰り返しから成る。ミクライトの酸素同位体組成はジョムソン層の上部は下部に比べて3〜5%。軽い。炭素同位体比は0%。に近い値を持つ。CL像と同位体組成との対比は来年度行う計画である。 CL像に基づいてタイプ分けされたカルサイトセメントについてマイクロサンプラ-を用いた微小部分の同位体及び元素を行う計画である。来年度も琉球石灰岩とジュラ紀石灰岩を主たる研究対象とする。
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