天然ゼオライトは我が国では農・水・畜産業中心に古くから活用されてきたが、工業的に用いられているのは合成ゼオライトである。しかしながら、その埋蔵量および経済性を考慮するならば、天然ゼオライトを新しい高機能性材料とする開発研究が望まれている。 北海道産天然ゼオライトの数種にたいしアンモニウム塩水溶液による処理を行なった結果2-PAの脱水反応に対する触媒活性が著しく向上することが知れた。また酸処理を行なった活性はアンモニウム塩処理をしたものよりも低く、硫酸アンモニウム塩処理は2-PAの脱水反応以外の酸触媒反応に対しても有効であることが明かとなった。 メタンガス、炭酸ガスはともに原石のものである程度の吸着能を有していることは昨年度までに確認している。表面処理は酸および塩基によって行ない、粒度は-2mmのもとを用いた。 炭酸ガスに対しては酸処理を行なうと吸着能は低下し、塩基処理を行なうとCaO処理を除くすべての試料で吸着能が向上した。これは炭酸ガスが酸性ガスであるため、天然ゼオライトの表面を酸性にする酸処理では炭酸ガスとの親和性が減少し、塩基性にする塩基処理では親和性が増ますことによるものとおもわれる。 メタンガスに対しては塩基処理を施したものは原石よりも吸着能が劣化したが、酸処理をしたものはすべて吸着能が向上し、塩酸処理によるものが最も高い吸着能を示した。この表面改質による吸着量は原石の5〜6倍にもなり、メタンガスの濃縮・回収が十分可能になると考えられる。
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