研究課題/領域番号 |
03453067
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古市 隆三郎 北海道大学, 工学部, 教授 (40001200)
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研究分担者 |
佐伯 功 北海道大学, 工学部, 助手 (50235090)
金野 英隆 北海道大学, 工学部, 講師 (50002316)
田村 紘基 北海道大学, 工学部, 助教授 (10002023)
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キーワード | 金属酸化物薄膜 / ペロブスカイト / 電着法 / カソード分極 |
研究概要 |
1.La(III)-Cr(VI)混合塩前駆体の熱分解によるLaMxCr_<1-x>O_3の合成。 クロム酸(CrO_3)溶液にLa-塩を溶解した混合液から前駆体を作ってこれを熱分解すると従来法よりも低温でLaCrO_4を経てLaCrO_3が合成されることがわかったので、Crの一部をMn(II)で置換したLaMxCr_<1-x>O_3粉体の合成を試みた。置換割合xが0から1の範囲の値になるように酢酸ランタン、三酸化クロム、酢酸(または硝酸)マンガンの混合溶液を減圧乾操後400℃で1h加熱して前駆体を調製した。前駆体の空気中、窒素中での熱分解挙動はxの値により異なった。また、酢酸クロムを用いた場合は0<x<1で分解温度が1000℃以下では単一相は得られなかったが、硝酸マンガンでは単一相が得られた。xの値によっては得られたペロブスカイトの格子定数の変化は無いが、比表面積は増加する傾向があった。 次にLaCrO_3の薄膜を合成する方法として、上記と同様のLa-Cr混合溶液を超音波振動子でミストとし予め加熱してある石英基板上に付着させることにより前駆体の合成を試みた。この前駆体を800℃で加熱するとLaCrO_3薄膜になったが、基板加熱温度により粉子の焼結状態が変り、膜の緻密性が変ることがわかった。 2.電着法によるLa_<1-x>M_xCrO_3型複合酸化物薄膜の作成。 前年度はステンレス鋼上にLaCrO_3薄膜をカソード分極法で作成できることを確認した。本年度は同様な方法でLaの一部をアルカリ土類のCa、Sr、Baで置換したLa_<1-x>M_xCrO_3薄膜の合成を行った。種々の濃度のLa(NO_3)_3とM(NO_3)_2を含むクロム酸溶液(pH:1.8-2.8)中でニッケル板をカソード分極(-1.3-1.9μ,sce)すると、La(OH)_<1-x>M_xCrO_4・_nH_2Oの組成を持つ前駆体が得られ、これを1000℃以下で10-15h加熱すると、ニッケル基板上に耐酸化能を有する薄膜ができた。現在、被膜の密着性の改良を検討している。
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