研究概要 |
光機能性ガラス複合体として今年度研究の対象としたものは、(1)有機色素(スチルバゾリウム塩,DMSI)をド-プしたシリカガラス,(2)Cds微粒子をド-プしたシリカガラス,(3)金の微粒子をド-プしたシリカガラスであり,これらは全てゾル-ゲル法で作られたものである。各ガラスについて,以下の成果が得られた。 (1)(a),マトリックスガラスの原料としてSi(OC_2H_5)_4とSi(OCH_3)_4を用いたが,後者のゾル-ゲル反応によりDMSIを包埋した透明なバルクシリカガラスを作ることができた。 (b).DMSIをゾル-ゲル反応系に混合するときに使用する溶媒を選択することにより、DMSIのシス-トランス転移を制御できた。トランス型のものを含むシリカの三次の非線形感受率X^<(3)>はシス型を含むものより大きく、かつ純粋なシリカガラスの約2倍であった。 (2)Si(OC_2H_5)_4(TEOS)溶液中の界面活性剤のミセル内部でCd^<2+>とS^<2ー>を反応させ、その後TEOSを加水分解することで被覆する方法で、CdS微粒子を調製した。界面活性剤の添加量により粒径を制御することができた。また、微粒子について量子サイズ効果を確認した。次年度は、この微粒子をシリカガラスにド-プして評価する予定である。 (3)TEOSとNaAuCl_4・2H_2Oを原料とし、ディップコ-ティング法でゲル膜を作り、それを500°C以上の温度で加熱することにより、直径10〜30Åの金微粒子を含むシリカガラス薄膜を作製した。このガラス薄膜で、イオン注入法で作られるAuード-プシリカガラスと同程度の光学非線形特性が確認された。 また、比較のため、半導体微粒子をド-プしたシリカガラス薄膜をスパッタリング法でも作製し、調製条件と光字特性の関連について調べた。
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