研究概要 |
Cds微粒子ドープシリカガラスと金微粒子ドーブガラスにしぼって研究を進めた。 (1)Cds微粒子ドープガラス:昨年度までに確立したカプシュレーション法によって、種々の制御された粒径をもつCds微粒子を作製し、それをゾル-ゲル法によってシリカガラス分散・包埋した。Cds粒子の光吸収端は、粒径の減少に伴うブルーシフトを示し、この方法で作られるCds/シリカ複合体でもスパッタリング法で作られるものと同様の量子サイズ効果が存在することを確認した。またS/Cd比の異なるCdSi_<1-X>微粒子をドープしたガラスを作り、蛍光測定を行い、Sの欠損か光機能低下を招く長波長蛍光の原因の一つであることを明らかにした。 (2)金微粒子ドープガラス:塩化金酸ナトリウムを含むテトラエトキシシランを原料として、ゾル-ゲル法で作製した金ドープシリカガラスの三次の光学非線形特性を評価した。パルス幅6nsのレーザーを用いて縮退四光波混合法で測定されたX^<(3)>は7.7×10^<-9>esuであった。しかしパルス幅がピコ秒オーダーのレーザーを用いて測定されるX^<(3)>は上記の値の20〜40%であった。このことにより電子分極による真のX^<(3)>は1〜3×10^<-9>esuであり、残りは熱膨張によって引き起こされる屈折率変化に由来することが明らかとなった。 マトリックスをTiO_2,Al_2O_3,ZrO_2とした金ドーブ酸化物薄膜を作製し、マトリックスをSiO_2とするものと比較した。その結果、酸化物の等電点が高くなるほど複合体に含有される金微粒子の量は増加し、光学非線形特性も変化することが明らかになった。 (3)本年度の成果も含め、平成3年度からの研究成果をとりまとめ成果報告書を作成した。
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