研究概要 |
発振周波数4MHz,発振出力15KWの高周波発振器,水冷二重石英管からなるプラズマ発生炉,流量制御可能なプラズマ作動ガス供給装置,プラズマ発生炉の炉内圧力制御の可能な真空排気装置,試料を移動させるための駆動装置からなるプラズマ焼結装置を組み上げた。プラズマ作動ガスを検討した結果アルゴンが適している事がわかった。但し酸化物セラミックスには酸素ガスの添加,窒化物セラミックスには窒素ガスの添加が有効な時もある。電源の周波数,出力を高くすることの可能な大型電源を使用した場合には純ガス高圧力での実験が可能となる。 炭化珪素は難焼結性セラミックスの代表物質であり,通常2000℃〜2300℃で1時間位焼成している。プラズマ焼結させた場合2分で緻密化し,焼結が完了することがわかった。サブミクロンの市販SiC粉末に焼結助剤としてボロンとカ-ボンを添加した混合圧密体を大気圧下15KWの出力で理論密度にまで致達させることに成功した。大気圧のアルゴン熱プラズマは1万度以上の温度に達し眩いため,試料がプラズマ炎中に入っているか否かの判断には熟練を要す。プラズマ炎のガス温度を低くすればプラズマ炎中への試料挿入が容易になるが,焼結しなくなる恐れがある。 プラズマ作動ガスの圧力を大気圧から下げてゆき,どこまで真空にしてゆけるのかを知るため低温プラズマを利用してSiCの焼結を行った。その結果,試料のプラズマ炎中への挿入は容易になったが,真空中の為試料の蒸発が激しくなった。試料の蒸発を抑制し,SiCの緻密化する条件を実験的に検討し,理論密度に達する焼結体を得ることに成功した。 窒化アルミニウムはY_2O_3添加によりプラズマ焼結で理論密度まで緻密化することがわかった。窒化珪素は,蒸発が激しいため,プラズマ炎温度を下げると緻密化しなかった。低温での焼結進行助剤を探索したが,マグネシアが良かった。現在90%TDのSi_3N_4焼結体が得られている。
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