研究概要 |
1.プラズマ炎中にセラミックス圧粉体を挿入して焼結させるときにプラズマ炎の温度は10,000〜15,000℃に達するが、圧粉体試料との間に熱障壁ができるため試料温度は低くなる。プラズマを利用して焼結させる場合に、焼結に関する因子はいくつかあるが温度が重要な因子の1つであることがわかった。 2.試料温度の測定には光高温計を利用することや熱電対を利用することが考えられるが、プラズマ炎からの種々のノイズのために多くの問題点があった。熱電対を利用して試料の温度を測定することを可能にした。克服した主要点は(1)熱電対の試料埋め込み、(2)電源からの高周波ノイズ、(3)プラズマ炎中の荷電粒子、(4)高温でのセラミックスの電気抵抗の低下、(5)試料に残留する電荷などであった。 3.電気炉による通常加熱法とプラズマの加熱法によるセラミックスの焼結への効果に差異があるかを調べるために通常焼結法及びホットプレス焼結法の実験を行った。炭化ケイ素については、焼結時間の短縮、粒成長の抑制などの効果がプラズマを利用した焼結に認められた。 4.プラズマを利用した焼結法により、従来の焼結法では得ることが困難な新素材の作成に応用できることを示した。炭素を多く含む炭素-炭化ケイ素の緻密焼結体が作成できた。この新素材は電気的な応用、高温・高強度摺動材およびシール材などへの応用が考えられる。 5.過去の研究結果も踏まえてプラズマを利用したセラミックスの焼結について整理しまとめた。本研究により焼結技術としてプラズマは利用できることがわかったばかりではなく、種々の利点や欠点も知ることができた。新しい焼結技術として利用されるようになろう。だが現状はScienceよりはartであるため基礎的な研究が望まれる。
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