研究課題/領域番号 |
03453083
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
八嶋 建明 東京工業大学, 理学部, 教授 (60016409)
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研究分担者 |
小松 隆之 東京工業大学, 理学部, 助手 (40186797)
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キーワード | メタロシリケート / Atom-Planting法 / 固体酸触媒 / 形状選択性 / アルキル化 / No選択還元 / ベックマン転位 |
研究概要 |
1.モルデナイトを新たに合成し、その脱アルミニウム法について検討した。硝酸に浸漬し煮沸還流処理を10〜20時間行うことと700℃で12時間焼成することを繰り返し行うことでSi/Al原子比を140までにすることができた。しかし、赤外吸収スペクトルの測定では、3610cm^<-1>のブレンステッド酸点に基ずく吸収はまだ残っており、脱アルミニウムが不十分であることが示された。 2.Si/Al原子比140のモルデナイトを塩化アルミニウム蒸気を用いてAtom-Planting法を行った。アンモニウムイオンでイオン交換後500℃でプロトン形にして赤外吸収スペクトルを測定した結果、3610cm^<-1>の吸収が増大しており、アルミニウムがモルデナイト結晶骨格内に導入されたことが判った。 3.鉄を結晶骨格に導入したMFI型メタロシリケートを調製し、これを触媒に用いたNOのアンモニアによる選択還元を行った。活性は、MFI型アルミノシリケートに銅イオンを導入した触媒に比べて低かったが、プロトン形よりも高いこと、高温にしても共存する酸素によるアンモニアの酸化を起こしにくいという特性を示すことが判明した。 4.シクロヘキサノンオキシムの気相ベックマン転位を種々のゼオライトを触媒に用いて検討した。その結果、生成物であるε-カプロラクタムの分子径は反応物よりも大きいため、細孔内ではむしろ目的生成物は生成しにくいことが判明した。そこで、合成時にテンプレートとして用いた有機塩基であるテトラプロピルアンモニウムを除去せず、これによって細孔を閉塞したホウ素を結晶骨格に導入したMFI型メタロシリケートを調製した。これを触媒に用いた結果、90%以上の高い選択率でε-カプロラクタムが合成できた。
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