研究課題/領域番号 |
03453086
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹原 善一郎 京都大学, 工学部, 教授 (00025892)
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研究分担者 |
内本 喜晴 京都大学, 工学部, 助手 (50193909)
金村 聖志 京都大学, 工学部, 助手 (30169552)
小久見 善八 京都大学, 工学部, 助教授 (60110764)
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キーワード | ポリアニリン / 非水系二次電池 / 非水系重合 / 電解重合 / 充放電特性 / アニリニウム塩 |
研究概要 |
非水系電解液を用いてアニリンを電解重合することにより作製したポリアニリンの電気化学的挙動を検討した結果、以下の結果が得られた。 (1)重合反応の初期過程においてアニリニウムイオンが重要な役割りを果たしていることが分かった。すなわち、ラジカルカチオンとアニリンのカップリング過程で静電的な相互作用により反応部位が影響されるため、アニリンがアニリニウムイオンの形で存在することが重合反応のキ-ポイントと考えられる。そこでアニリンを4級化したもの溶解した非水溶媒中でアニリンの重合を行なった。 非水溶媒にアニリニウム塩の状態でアニリンを溶解し電解重合により得られたポリアニリンは、水溶液中で得られたポリアニリンと同程度の活性を有していることが分かった。 (2)非水電解液中で作製したポリアニリンを電池活物質として用いた場合、その特性は水溶液中で合成したものより優れていた。特に、アセトニトリル中で合成したポリアニリンでは、電気化学反応速度を向上させることができた。高電流密度での使用に適したポリアニリンと考えられる。 (3)作製したポリアニリンのガラス転移温度や重合度に関して検討した結果、プロピレンカ-ボネ-トやγーブチロラクトン中で重合したポリアニリンは、他の溶媒中で作製したしたものに比較して、重合度が高く結晶性の向上したポリアニリンであることが分かった。また、電極電位の若干の低下が認められ、ポ-ラン状態の安定化されていることが分かった。すなわち、より安定なポリアニリンが作製できたと言える。このようなポリアニリンは充放電サイクル寿命に優れた電池活物質になると思われる。
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