研究概要 |
1.Na^+導電体を用いたNO_2センサの検知極に2成分系副電極(NaNO_3ーBa(NO_3)_2)を用いると、450℃といった高温でも作動し、しかも水蒸気の妨害を低減できることを見出した。また、検知極と対極の両方に硝酸塩を用いた短絡電流型の新しいNO_2センサを新しく提案した。またBa^<2+>導電体であるBaーβ/β"ーアルミナとBa(NO_3)_2副電極を組合せたNO_2センサが、高温作動が可能でしかも応答の速い優れた特性を示すことを見出した。さらに、従来報告のなかった亜硝酸塩電極を用いればNO、NO_2をさらに感度良く検知できる高性能NO_xセンサを構築できることを見出した。 2.CO_2センサについて、種々の炭酸塩副電極とNASICONを検討したところ、Na_2CO_3ーBCO_3(B=Ca,Sr,Ba)系副電極を用いれば高速応答し、しかも水蒸気の影響の全く無い高性能なCO_2センサが得られた。さらに2成分系副電極を用いることにより従来の単成分系素子よりも低温作動化が可能であることがわかった。また、2成分系にすると炭酸塩電極の結晶構造、形態とも大きく変化することがわかった。さらに、Li系副電極(Li_2CO_3ーBCO_3,B=Ca,Sr,Ba)とNASICONといったヘテロ接合によるセンサでも優れた応答を示し、耐久性がNa系副電極もさらに高い実用的な素子が得られることを見出した。また、固体電解質として低温でも高い導電率を示すLaF_3を用いればNASICON系素子よりも200℃も作動温度を下げることが可能であることがわかった。これらの副電極系CO_2センサは、酸素に対する応答が種々の温度において異なっていることを見出しており、新しい応答機構を提案した。 3.SO_xセンサについては、安定化ジルコニアの一端開放菅とLi_2SO_4ーCaSO_4系硫酸塩電極を用いたセンサが、これまでに全く類のない高速応答を示し、しかも経時安定性に優れていることを見出した。
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