研究課題/領域番号 |
03453096
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
前田 滋 鹿児島大学, 工学部, 教授 (90041566)
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研究分担者 |
中 建介 鹿児島大学, 工学部, 助手 (70227718)
大木 章 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (20127989)
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キーワード | 石炭スラリ-燃料 / 粘度 / 凝集性 / 石炭表面の化学 |
研究概要 |
1.目的 石炭粒子表面の化学的性質と、石炭スラリ-燃料(CSF)の粘度及び静置状態と流動状態のおける安定性との関係を解明することを目的とし、モデルCSFを用いてアプロ-チする。すなわち、石灰石を粉砕し、一定の粒径・粒度分布をもつ固相粉末に対して種々の飽和及び不飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸を処理することによって、これら有機酸を石灰石表面に化学的に結合させた粒子を固相とした石炭スラリ-燃料(CSF)のスラリ-特性に及ぼす石炭表面の化学的性質の影響を解明する。 2.結果と考察 (1)有機酸被覆石灰石の吸油力は被覆度の増加と共に減少した。これは石灰石表面の疎水性増加と共に粒子表面上で保持・固定される油膜の厚さが減少することに起因すると考えられる。 (2)表面改質した石灰石を用いてモデルCOMを調製し、その粘度について検討した。石灰石にリノ-ル酸を被覆したものについてリノ-ル酸の被覆度の増加と共にCOM粘度も低下した。 (3)COM中への水分配合量の増加と共にCOM粘度は増加した。 (4)貯蔵日数が増加するほどCOMの安定性は低下したが、リノ-ル酸の被覆度の増加と共に安定性は良くなる傾向を示した。 (5)動的安定性に及ぼす固相粒子表面の化学的特性の影響をモデルCOMを用いて検討した。 これらの結果から、COM固相粒子の粒径・粒度分布・粒子の形状(粗面度、開孔隙率など)が全く同一であるにも関わらず、化学的性質のみを変えることによりCOMの粘度・凝集の影響を及ぼすことが分かった。また、水分がCOMの安定化構造および粘度に大きな影響を及ぼすことも分かった。
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